2023-09-01

[CFIA]特定の食品中の食品着色料(2021年4月1日から2022年3月31日)

Food Colours in Selected Foods – April 1, 2021 to March 31, 2022

2023-08-28

https://inspection.canada.ca/food-safety-for-industry/food-chemistry-and-microbiology/food-safety-testing-reports-and-journal-articles/food-colours-in-selected-foods/eng/1692280835897/1692281287985

食品の着色料は、加工条件によって生じる自然の色の損失を補うためや、色を強調したり均一にしたりして食品をより魅力的で食欲をそそるようにすることによって消費者の期待に応えるためなど、さまざまな理由で日常的に食品や飲料に添加されている。着色剤に焦点を当てたターゲット調査は、加工食品における許可されていない着色剤の使用に関連する潜在的な健康上の懸念のために開始されている。許可されていない着色剤の存在は、一部がDNAの損傷及び発がん性の可能性があるため、消費者に健康リスクをもたらす可能性がある。許可されている合成着色剤の表示されていない使用は、合成着色剤に感受性を示し、皮膚発疹を引き起こし、喘息患者の喘息反応を誘発するごく一部の集団にとって潜在的な懸念である。

食品の着色料に焦点を当てたターゲット調査が以前に実施されている。今回調査の主な焦点は、添加着色料を含む可能性のある鮮やかな色の製品の調査と、食品の合成着色料を含まない自然食品として販売されている製品のコンプライアンスの確保であった。ベーカリー製品、飲料、ドライミックス(ベーキングミックスを含む)、自然食品、お菓子及びビーガン製品の合計192のサンプルを収集し、最大43種類の食品の着色料を検査した。食品の着色料は、検査した61サンプル(32%)で検出された。過去の調査年と比較すると、今年の調査結果は、食品着色剤を含む可能性が高いサンプルを選択したため、同様の検出率とわずかに低いコンプライアンス率(94.8%)を示している。使用の最大基準値を超えるレベルの食品着色料が10サンプルで検出された。

この調査で観察された食品着色料のレベルは、カナダ保健省化学物質安全局が評価し、検査されたサンプルのいずれもヒトの健康に許容できない懸念をもたらすことはないと判断した。カナダ保健省がとった追跡措置は、汚染のレベルと結果として生じる健康上の懸念に基づいている。

検査した192の食品サンプルのうち、食品着色料は61サンプル(32%)で検出された。これらのサンプルの半分以上(32/61)は単一の食品着色料のみが検出され、残りの陽性サンプルでは最大4つの着色料が検出され、結果は合計117サンプルが陽性であった。

ドライミックスは、食品添加着色料を含むサンプルの割合が72%と最も高く、次いでベーカリー製品(69%)であった。合成着色料は、ビーガン製品及び合成着色料を含まない自然食品として販売されている製品のいずれからも検出されなかった。最も高いレベルの食品着色料が検出されたのはベーキングミックスであった。

全体で、10サンプルはカナダ食品規則に違反していた。これらの10サンプル(4製品;6ロット番号)は全て、使用の最大基準値を超えるレベルの食品着色料を含んでいた。これらのサンプルのうち、8サンプルはベーキングミックス、1サンプルはフルーツ風味のキャンディー(ロールアップ)、1サンプルは輸入クッキーであった。本調査年に検査した製品の中には、許可されていない着色料または成分表に使用表示のない許可された着色料を含むものはなかった。

今回の調査で最も多く検出された着色料は、Allura Red、Tartrazine及びBrilliant Blue FCFであった。これらは陽性結果の72%を占めた。これらは全調査年で最も一般的に検出された着色料であった。この調査は部分的に鮮やかな赤色/赤紫色(フクシア色)製品の検査に焦点を当てたので、他の食品着色料を生成するために使用される着色剤の検出率は通常より低かった。

 

[CFIA]特定の食品中の多環芳香族炭化水素(2019年4月1日から2020年3月31日)

Polycyclic Aromatic Hydrocarbons in Selected Foods – April 1, 2019 to March 31, 2020

2023-08-28

https://inspection.canada.ca/food-safety-for-industry/food-chemistry-and-microbiology/food-safety-testing-reports-and-journal-articles/polycyclic-aromatic-hydrocarbons-in-selected-foods/eng/1692288948772/1692289043606

多環芳香族炭化水素(PAH)は、石炭、石油、ガス、木材及び炭火焼肉などの材料の不完全燃焼の生成物である。これらは一般的な大気汚染物質であり、しばしば作物を汚染する。PAHは加熱処理中に食品中にも生成される。この調査では、国際がん研究機関(IARC)が「ヒトに対して発がん性がある」と分類しているベンゾ[a]ピレン、「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」と分類しているベンゾ[a]アントラセン、ベンゾ[b]フルオランテン、クリセンを含む4つの最も毒性の高いPAHを分析している。

このターゲット調査では、カナダ市場における国内及び輸入製品におけるPAHの存在発生に関するベースラインサーベイランスデータを作成した。カナダ食品検査庁(CFIA)は、34の乳児用調製乳、114のナッツ/ナッツバター、148のオリーブオイルのサンプルを含む296製品を収集し、分析した。PAHは検査したサンプルの61%で検出され、総PAH量は0.001 ppbから3.25 ppb TEQ(毒性等量)の範囲であった。オリーブオイルは最高のPAHレベル量と検出率を示した。本調査のデータと以前のターゲット調査のデータを比較すると、カナダの小売製品のPAH量は以前に報告されたものと同等であることが示された。

検査した4つのポマスオイルサンプルでは、PAHレベルはカナダ保健省が設定した最大基準値(ML)以下であった。この調査で検査した製品で検出したPAHの全レベルはカナダ保健省によって評価され、カナダ国民による消費に対して安全であると考えられた。製品のリコールは必要なかった。

乳児用調製乳サンプルの平均PAHレベルは最も低く、0.12 ppb TEQであった。このカテゴリーには乳ベース及び大豆ベースの乳児用調製乳が対象であった。報告された全検出率は47%(34サンプル中16)であるが、大豆ベースの調製乳サンプルは検出可能なレベルのPAHを示さなかった。PAHは乳ベースの乳児用調製乳サンプルの70%(23サンプル中16)で検出され、総PAHレベルは0.001 ppbから0.776 ppb TEQの範囲であった。ナッツ/ナッツバターは、この調査対象の全製品タイプの中で最も検出率が低く39%(114サンプル中44)であった。平均PAHレベルは、0.17 ppb TEQであった。個々のナッツ/ナッツバタータイプ間の有意差は観察されなかった。パンプキンシードバターの個々のサンプルは平均より高いPAHレベル(2.93 ppb TEQ)であった。残りのすべての製品は0.773 ppb TEQ未満の総PAHレベルであった。オリーブオイルサンプルは、この調査で対象となった全製品の中で最も低い平均PAHレベルと最も高い検出率82%(148サンプル中121)を示した。PAHレベルが高かったのは3サンプルのみであった。残りのすべてのオリーブオイルサンプルは0.700 ppb TEQ未満の総PAHレベルを示した。サンプルの選択は平均PAHレベル0.19 ppb TEQ及び最大0.569 ppb TEQの4つのポマスオイルサンプルを対象とした。

 

[FDA]プレスリリース

-FDAとStop Foodborne Illnessが直面する食品安全の課題に関するウェビナーを共催する

FDA and Stop Foodborne Illness to Co-Host Webinar on Facing Food Safety Challenges

August 31, 2023

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-and-stop-foodborne-illness-co-host-webinar-facing-food-safety-challenges

米国食品医薬品局(FDA)は、食品安全文化を探求する継続的なウェビナーシリーズの第8回を、2023年9月13日正午12時から午後1時(東部標準時間)に開催する。

 

-事業者向けガイダンス:シーフードリスト

許容できるシーフード名を決定するためのFDAのガイド

Guidance for Industry: The Seafood List FDA’s Guide to Determine Acceptable Seafood Names

08/31/2023

https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/guidance-industry-seafood-list-fdas-guide-determine-acceptable-seafood-names

このガイダンスでは、米国で販売されている魚介類種の許容できる市場名、よく使われる名前、学名及び現地語名(地方名)に関する詳細情報が提供される。以下、ガイダンス。

https://www.fda.gov/media/171514/download?attachment

 

-公示

Tapee Teaは表示されない医薬品成分を含む

Tapee Tea contains hidden drug ingredients

8-31-2023

https://www.fda.gov/drugs/medication-health-fraud/tapee-tea-contains-hidden-drug-ingredients

 FDAの研究所分析により、鎮痛剤として販売されているTapee Teaに、製品表示ラベルにないデキサメタゾン及びピロキシカムの含有が確認された。製品写真あり。

 

[HK]法令違反等

-包装済み茶色の卵のサンプル中の残留農薬が基準値超過する

Pesticide residue exceeds legal limit in prepackaged brown eggs sample

Wednesday, August 31, 2023

https://www.cfs.gov.hk/english/unsat_samples/20230831_10473.html

中国産包装済み茶色の卵のサンプルから基準値0.01 ppmを超過する0.06 ppmのクロルピリホスが検出される。

 

[HK]食品汚染

Food Contaminants

30 Aug 2023

https://www.cfs.gov.hk/english/programme/programme_rafs/programme_rafs_fc_01_30_Nuclear_Event_and_Food_Safety.html

日本産輸入食品に対する規制措置について、Latest News、Frequently Asked Questions、Press releaseの情報更新。

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 258-23

1 September 2023

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20258-23.aspx

改訂221

・加工助剤としてのGM Trichoderma reesei 由来αアラビノフラノシダーゼ

・加工助剤としてのGM Trichoderma reesei( 遺伝子ドナー:Talaromyces leycettanus)由来エンド-1,4-βキシラナーゼ

・加工助剤としてのGM Aspergillus oryzae 由来カルボキシペプチダーゼ

などを含む

 

[WHO]オンラインパブリックコメント募集:母乳代用品のデジタルマーケティング制限を目指す規制対策についてのガイダンス案

Online public consultation: draft guidance on regulatory measures aimed at restricting digital marketing of breast-milk substitutes

30 August 2023

https://www.who.int/news-room/articles-detail/who-open-online-public-consultation-draft-guidance-on-regulatory-measures-aimed-at-restricting-digital-marketing-of-breast-milk-substitutes

2023年9月17日まで

母乳代用品が広範なオンラインチャンネルやソーシャルメディアプラットフォームで宣伝されていてデジタルマーケティング戦略が母乳代用品の宣伝に使用されることが劇的に増えている。これらを制限するための規制対策ガイドライン案についての意見募集

 

論文

-ニセの錠剤を使用した根拠のある薬物過剰使用死-米国、2019年7月-2021年12月

Drug Overdose Deaths with Evidence of Counterfeit Pill Use — United States, July 2019–December 2021

O’Donnell J, et al., MMWR Morb Mortal Wkly Rep 2023;72:949–956.

https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/72/wr/mm7235a3.htm?s_cid=mm7235a3_w

この期間に薬物過剰使用死のうちのニセ錠剤の使用の根拠は2倍以上になった

違法に、処方無しで入手した錠剤の危険性を強調するメッセージが役立つ可能性がある

 

-前向きNutriNet-Santéコホートにおける人工甘味料と2型糖尿病リスク

Artificial Sweeteners and Risk of Type 2 Diabetes in the Prospective NutriNet-Santé Cohort

Diabetes Care. 2023 Sep 1;46(9):1681-1690.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37490630/

Mathilde Touvier 博士がBBCの番組で宣伝していたもの。共著者がIARC所属

 

-蝋燭を燃やすことと調理由来の煙は軽い喘息の人にとって有害

Burning candles and fumes from cooking is harmful for people with mild asthma

31-AUG-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/1000197

Particle and Fibre Toxicologyに発表された18-25才の36人でのRCT

 

SCIENCE VOLUME 381|ISSUE 6661|1 SEP 2023

-ニュースを一目で

News at a glance:

・マスク、ロックダウン立証される

先週発表された王立学会の包括的報告によると、マスクや社会的距離(ロックダウンを含む)やその他のCOVID-19パンデミック中にとられた対策はウイルスの拡散を遅くするのに有効だった。6つの医薬品以外の介入、接触追跡、屋内換気、旅行制限、公衆衛生メッセージを含む、は全て有効で、最も効果的だったのはロックダウン。この報告は将来のパンデミックに備えるために、そのような介入の他の影響、人々の収入や精神衛生などを含む、についてのデータを集めるべきだと助言している。

・JAMA Network Openによると中国が2022年12月に突然のゼロコロナ政策の終了後2ヶ月の間にCOVID-19が急増して30才以上で187万人の超過死亡があったと推定される

・EPAがよくある農薬を制限

先週EPAが、絶滅危惧種に害がある可能性があるとしてマラチオンに新たな制限を設定した。製造業者はカナダ鶴やアラバマ洞窟魚などの保護対象種の重要な住処の近くではスプレーを減らすなどの新たな指示を含めてラベルを改訂しなければならない。沿岸地域の絶滅危惧種の追加評価後にさらに制限される可能性がある。

・園芸愛好家は絶滅危惧種を植えるよう強く求められる

ドイツでの研究によると庭やアパートのバルコニーが絶滅危惧種を救うのに相当貢献できる。

 

-ホットな減量薬が依存治療薬として試験される

Hot weight loss drugs tested as addiction treatments

MITCH LESLIE  930-931

GLP-1類似体が薬物やアルコールが欲しい要求を抑制するかどうか臨床試験が行われている

 

-何故猫はそんなにマグロが好き?

Why do cats love tuna so much?

BY DAVID GRIMM: 935

猫の味蕾のうまみ受容体についての研究。ヒスチジンとイノシン一リン酸が特に好き

 

-展望

肥満の原因についての答えられていない疑問

Unanswered questions about the causes of obesity

BY JOHN R. SPEAKMAN et al.,944-946

肥満は今や世界的に流行している。しかしその原因についてはあまり合意されていない

混乱の原因は遺伝か環境かの間違った二分法に基づく

(何故美味しいものを食べ過ぎるのかわかっていない、といわれても・・・)

 

その他

-Natureニュース

アウトブレイク警告サービスProMEDでのストライキは終了-しかし緊張は続く

Strike at outbreak-alert service ProMED to end — but tensions remain

31 August 2023  Max Kozlov

https://www.nature.com/articles/d41586-023-02750-y

ストライキ中のProMEDスタッフのほとんどは仕事に復帰する準備をしている-多くは懸念を抱いたまま

約一ヶ月のProMEDでのストライキは9月11日に終わる予定