2023-11-30

[MHRA]マンチェスターでの朝の強制捜査で何千もの違法医薬品が押収された

Thousands of illicit medicines seized in morning of raids in Manchester

Published 29 November 2023

https://www.gov.uk/government/news/thousands-of-illicit-medicines-seized-in-morning-of-raids-in-manchester

MHRAの犯罪執行ユニットが何十万回分もの違法取引疑い医薬品を押収した

2023年11月29日に、医薬品規制違反などで20代の男性が逮捕されたOldhamと Cheethamの二つの居住地住所にわたって強制捜査が行われた。また二カ所の事業所住所でからも数千の違法医薬品が押収された。強力なオピオイド鎮痛剤、抗うつ剤、勃起不全薬などが押収された。

医薬品をオンラインで購入する場合には注意すること。

自己処方しないこと

 

[IARC]IARCがん予防ハンドブック19巻発行:口腔がん予防

Publication of IARC Handbooks of Cancer Prevention Volume 19: Oral Cancer Prevention

29 November 2023

https://www.iarc.who.int/news-events/publication-of-iarc-handbooks-of-cancer-prevention-volume-19-oral-cancer-prevention/

主な原因は喫煙と飲酒。使用する国ではビンロウジを噛むことと無煙タバコが主要因。

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 272-23

30 November 2023

https://www.foodstandards.govt.nz/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20272-23.aspx

改訂No.2323

・干ばつ耐性除草剤耐性大豆系統IND-00410-5由来食品

・乳児用調整乳への2'-FL DFL, LNT, 6'-SL ナトリウム塩および 3'-SL ナトリウム塩の使用

・加工助剤としてのGM Trichoderma reesei (遺伝子ドナー: Fusarium verticillioides)由来エンド-1,4-βキシラナーゼ

新しいFSANZウェブサイト 2023年12月6日から

 

論文

-大麻が長期オピオイド使用を減らすという根拠はない

No evidence found that cannabis reduces long term opioid use

29-NOV-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/1008748

大麻をオピオイド危機の解決法と見なすことには注意が必要

American Journal of Psychiatryに発表された20年にわたるオーストラリアの研究

 

-健康的な食品は自動的に持続可能でもある?

Are healthy foods automatically sustainable, too?

29-NOV-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/1009511

Konstanz大学(ドイツ)の研究では持続可能性と健康的選択は密接に関連する

PLOS Sustainability and Transformationに発表

多くの人はヘルシー=持続可能とみなしていた。しかしこの認識と、実際のその食事の環境持続可能性と健康的食時との重なりとには関連はなかった。この結果は、消費者には食品の持続可能性と健康さについてのより良いより入手しやすい情報が必要であることを明確に示す。

 

-コロンビアの新しいジャンクフード規制

New junk food legislation in Colombia

Talha Burki

THE LANCET Oncology NEWS| VOLUME 24, ISSUE 12, E460, DECEMBER 2023

2023年11月1日に、コロンビアは超加工食品税を開始した。10%から始めて2024年には15%、2025年には20%に増やす。この税は砂糖入り飲料への段階的課税とともに導入された。コロンビアは既に新たな課税の根拠となる食品の包装表面への栄養表示を導入済みである。この対策はコロンビアの肥満危機への対応として導入されたもので、コロンビア成人の半分以上が過体重または肥満である。Gustavo Petro大統領はX(もとTwitter)で人々にこの税はコロンビアの人達の健康のためにより健康的な食品を選ぶのに役立つためのもので、お金をとるためだけのものではない、と再確認した。

引用記事

コロンビアはライフスタイル疾患対策として野心的な「ジャンクフード法」を成立させた

Colombia passes ambitious ‘junk food law’ to tackle lifestyle diseases

Weronika Strzyżyńska Fri 10 Nov 2023

https://www.theguardian.com/global-development/2023/nov/10/colombia-junk-food-tax-improve-health-acc

コロンビアは超加工食品を標的にした健康税を導入した世界で初めての国のひとつ

税の対象は工業的に製造されたすぐ食べられる食品と定義される超加工食品、およびチョコレートやポテトチップのような塩と砂糖と飽和脂肪の多い食品、である。食品企業によってsalchichón ソーセージのような伝統的食品が除外されるなどのいくらかの妥協があった。

コロンビアの食事はナトリウムが多く、平均摂取量は1日12gである。

税への批判はコロンビアのインフレを悪化させるだろうというもの。

ラテンアメリカの課税推進団体のBeatriz Champagneは、「工場で食品を作る目的は栄養ではなくお金である。製造業者は消費者が食品を食べて病気になったり死んだりすることを気にしない」という。

(食品企業と消費者が敵対するものだという考えは不幸でしかないと思うが。「健康的」食品だけ食べれば健康になるという考えも間違いだし)

 

-魚へのPFOSの影響についての理解を改善する

Improving our understanding of the effects of PFOS on fish

29-NOV-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/1009428

Environmental Toxicology and Chemistryに発表された二つの論文。先行研究の拡大再現試験を行ったところ、ゼブラフィッシュで最も感受性が高い有害影響と報告されたものはPFOSの有害影響ではなく生物的変動によるもので魚への影響の閾値は概ね2桁異なる。

 

-農薬カクテルは欧州の野外でマルハナバチに害を与える

Nature RESEARCH BRIEFINGS

Pesticide cocktails harm bumblebees in European fields

29 November 2023

https://www.nature.com/articles/d41586-023-03644-9

Natureに発表された論文の概要紹介

Nature編集部からのコメントつき

 

その他

-ニュージーランドの受け入れ水環境の窒素、リン、堆積物、大腸菌:現状と基準値との比較

Nitrogen, phosphorus, sediment and Escherichia coli in New Zealand’s aquatic receiving environments: Comparison of current state to national bottom lines

November 2023

https://ourlandandwater.nz/outputs/comparison-of-current-state-to-nbls/

ニージーランド中の汚染物質基準値超過場所を始めて評価した報告書。ほぼ全ての地域で少なくとも一つの汚染物質の相当な削減が必要。多くの川や湖や河口が一つ以上の汚染物質の基底値を超えていた。全ての土地のうち3/4が水中大腸菌に寄与している。

(牛や羊がたくさんいるので当然)

 

-欧州でグリーンニューディールが如何に終焉したか

How the Green New Deal Met Its Demise In Europe

By Bill Wirtz  November 28, 2023

https://www.realclearmarkets.com/blog/2023/11/27/how_the_green_new_deal_met_its_european_death_995178.html

驚くべきことに、欧州議会が「農薬の持続可能な使用」法案を否決した。この法案は婦州グルイーンディールといわゆる「農場から食卓まで」戦略の基礎となるもので、2020年に農業部門を改革して農薬と肥料を減らし有機農業を推進するために計画された。一部の案はまだ残っているが、立法者達は3年前と見解を変えた、それには理由がある。

EUが改革を提案したとき、COVIDはまだ初期で、厳しいロックダウンによって克服できると信じられていたしロシアがウクライナに侵攻していなかった。金利はマイナスに近く、EUの幹部のエコーチェンバーの中で食品と農業システム全体を変えるチャンスだと思われていた。初めの頃の政治的反発は控えめで、EUコミッショナーは留任し、全ては環境のためだと言った。しかし間もなくその計画は極めて高くつくことが明らかになった。それでも欧州委員会は農薬を減らすべきと主張し続けた。フランス大統領や他の国の首長がこれらの規則が実行可能なのかどうかを疑い始めて亀裂が見え始め、農家の代表はEU戦略の目標を拒否するとした。そしてオランダの地方選挙で農家の団体がEUの法に従って温室効果ガスの排出を抑制するという政府の方針に反対して勝利し、終わりが始まった。農家-市民運動として知られるBoerBurgerBeweging (BBB)はオランダ地方選挙で相当な勝利をおさめている。2019年に設立されたが政府がオランダの農家の約1/3を廃業させることで窒素排出量を減らすと決定してから広く支持を集めるようになった。

欧州の農地を減らし、農家から病害虫を抑制する手段を奪うことが有権者の支持を得られないことがわかり、欧州議会最大会派の欧州国民党は今や農家を支持し欧州グリーンディールの一部を次々と否決している。

欧州グリーンディールを設計したオランダのFrans Timmermansは自国の首相になるべく既に欧州のポストを退いている。

こうしたEUの動きは米国にとって教訓となり、環境対策と農家が直面する経済的現実の繊細なバランスをとる必要性を強調する

(一部のみ。

参考

オランダにも極右政権誕生か?

2023.11.24

https://www.dlri.co.jp/report/macro/293628.html

農業を破壊する緑の党に嫌気がさした人達を「極右」というのはおかしいだろう)

 

-正義のリスク:序

Righteous Risks: Introduction

Posted by RISKMONGER on NOVEMBER 28, 2023

https://risk-monger.com/2023/11/28/righteous-risks-introduction/

正義のリスクは、意思決定が道徳的認識、社会的美徳、倫理的考えだけに基づくときに社会福祉が毀損される脅威である。こうした価値観に基づいた政策は事実やデータを一貫したやり方で考慮せず、一部の人達がソーシャルメディアなどで自分達の考えを強要する。正義の戦士(特に環境活動家、自然療法家、食品純粋主義者)は自分たちの道徳教条をより強力に政策に強制する。そのような価値観に基づいた規制はますます大きな脅威となっている正義のリスクである。農業や食品の選択、エネルギー、ニコチン代用品、交通手段などを攻撃する。これはそうした正義のリスクをどう扱うかのシリーズの導入である。

(von der Leyenコミッショナーの旗艦政策であるグリーンディール批判。相当部分がTimmermans副委員長のせいだとはいえ失敗の責任は委員長にある)