2023-06-21

[Codex]プレスリリース

-Codex60 /Jenny Scott氏は、改訂された食品衛生の一般原則について語る

Codex60 / Jenny Scott explores the revised General Principles of Food Hygiene

12/06/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1641746/

食品衛生部会の長年の代表であったJenny Scott氏(アメリカ合衆国)が、最近引退したが、食品衛生の一般原則(GPFH)の改訂に従事したため、このコーデックス実施規範の基盤に関わる変更のいくつかについて、以下の質問に答えた:どのような変更が行われたか、なぜ変更したのか、これらの変更はどのように役立つのか、新しいレイアウトとデザインの印象は?

改訂されたGPFHの変更点の1つは、ハザード分析及びHACCPシステムに関する情報を附属文書から本文中に移動し、それらの文書を2つの章(1つはGHPともう1つはHACCPに関する部分)に分離したことである。改訂版では、食品の安全性と適合性に対処するための8つの一般原則を明確に示し、GHPとHACCPの関係を明確にするための議論を提供する。さらに以前のバージョンには記されていなかった近代的な概念として、より注意を向けるべきGHPの役割、食物アレルゲン管理の重要性、食品安全文化の構築などを盛り込んだ。また、食品事業者が自社製品(食品)に影響を与える可能性があるハザードを認識する必要があることを強調し、ハザード分析を行う専門家のいない食品事業者が、ハザードや適切な食品安全管理に関する情報を外部から入手できるようにするためのガイダンスも提供している。さらに、管理基準(critical limits)など、管理措置の妥当性確認の重要性についても強調した。

*General principles of food hygiene

https://www.fao.org/documents/card/en/c/cc6125en

 

-コーデックスは、分析法の規格を設定する上で重要な役割を担っている

CCMAS42 / Codex vital role in setting standards for methods of analysis

13/06/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1641866/

2023年6月13日、第42回分析・サンプリング法部会(CCMAS42)の開会にあたり、ハンガリー政府、FAO欧州・中央アジア地域事務局、WHO欧州地域事務局の代表、及びコーデックス総会議長のSteve Wearne氏がそれぞれスピーチをした。

ハンガリーのフードチェーン安全担当長官であるMárton Nobilis氏は、部会への参加者を歓迎し、「今年の部会は、60カ国以上、15の国際機関から200人の代表者が直接出席し、これまで以上に多くの参加者を集めている」とコメントし、「部会への高い関心が絶えることがない」と述べた。彼はまた、世界の食品安全における検査業務の効率と信頼性の重要性について触れ、CCMASの規格は「試験所の専門家の日常業務に不可欠であり、すべての認められた方法を含む、最新で、明確で、利用しやすい規格を持つことは、すべての関係者の利益となる」と述べた。

 FAO欧州・中央アジア地域副代表のNabil Gangi氏は、「科学と政策のインターフェースで働き、FAO/WHO合同専門家機関からの世界的に関連するアドバイスを利用することで、安全な貿易を促進するためにすべてのメンバー国が使用できるコーデックス規格を設定することができる」とコメントした。

*CCMAS42

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/meetings/detail/en/?meeting=CCMAS&session=42

 

[FDA]PFAS活動に関して最新情報を提供する

FDA Update on PFAS Activities

May 31, 2023

https://www.fda.gov/food/cfsan-constituent-updates/fda-update-pfas-activities

米国食品医薬品局(FDA)は、一般的なフードサプライにおけるPFAS(パー及びポリフルオロアルキル化合物)の新しい分析結果、魚介類関連業務の進捗、分析法の開発状況といったFDA活動の最新情報を共有する。

一般的なフードサプライにおけるPFASの分析結果

現在、トータルダイエットスタディ(TDS)の2つの地域収集(データセット6とデータセット7)による186サンプルのPFASの分析結果を提供している。タラとエビのサンプルからそれぞれ2つと、ティラピア、サーモン及び牛ひき肉のサンプルそれぞれ1つからPFASを検出した。FDAは、毒性学的参照値(TRV)のあるPFASについて個別に評価し、7サンプルに検出された濃度での暴露は、幼児や一般集団にとって健康上の懸念となる可能性は低いと結論した。

本データは、以前のTDSの分析結果と一致している;TDSで分析された生鮮食品と加工食品の97%以上(718サンプルのうち701サンプル)でPFASは検出されなかった。TDSの魚介類サンプルの44%(32のうち14)と、2022年の対象を絞った魚介類調査のサンプルの74%(81のうち60)で、少なくとも1種類のPFASが検出された。

魚介類中のPFASをよりよく理解するための活動

魚介類のPFASに関するデータはまだ非常に限られているが、FDAの分析は、他の食品と比較して、魚介類が環境中のPFAS汚染によるリスクが高い可能性を示す。中国産のアサリの缶詰を除き、FDAの魚介類の分析で測定されたTRVをもつ他のPFAS暴露は、ヒトの健康上の懸念となる可能性はないとFDAは判断している。アサリの缶詰については、2社が自主的リコールを行い、国境で輸入品の、市場での国産品の分析を継続している。アサリといったろ過摂食動物だけでなく、カキ、イガイ及びホタテなどの他の二枚貝の軟体動物も、他の種類の魚介類よりも多くの環境中汚染物質を生体内蓄積する可能性があり、そのため、輸入及び国内の二枚貝の軟体動物のさらなるサンプリングを進めている。

魚介類業界が製品中のPFAS汚染を考慮し、市販の魚介類の安全性を確保するために適用される規則を遵守することが重要である。FDAは安全性の懸念が生じた場合、製造業者と協力したり、製品が米国市場に流入したり残存したりするのを防ぐための措置を講じる。

魚介類は子供と成人に重要な栄養素を提供するため、FDAは、安全な魚介類の入手を維持することに尽力している。FDAは、最新の科学を引き続き適用して、魚介類におけるPFASのレベル、魚介類の種類によって異なる理由についての理解を深め、魚介類におけるPFASを減らすことができる戦略の特定を支援する。安全で栄養価の高い魚介類の供給というFDAの共通の目標を達成するために、現在の分析慣行、魚介類製品におけるPFASの汚染源及び低減戦略など、PFASの理解を深めるために業界との関わりを継続する。さらに、FDAは、魚介類におけるPFASの分析の分析能力を拡大するために業界に技術援助を提供することが可能である。

食品におけるPFAS分析の科学的進歩

PFASは数千種類ある。FDAが食品中で分析対象とする種類を同定するため、科学文献をレビューし、食品への取り込みが予想され、その存在を正確に同定するための化学標準物質が入手可能であることに基づき、PFASを選択する。分析対象のPFASは、2019年に16種類から開始し、2022年には4種類を追加した。2023年には30種類まで拡大して分析できるようにしている。更新された分析法は、今年後半に公開される予定である。

FDAはまた、高分解能質量分析装置(HRMS)を使用することによって、FDAの研究の幅を拡大している。これにより、どのような追加の種類のPFASが食品に存在し、今後は対象を絞った方法に含めるべきかを決定することができる。

さらに、FDAはPFASがどのように植物に取り込まれるか、またPFAS濃度が植物と植物の部位でどのように異なるかについての研究に寄与している。この研究は、食品からのPFAS暴露を大幅に削減するのに役立つ可能性がある。例えば、植物の食用部位にPFASが取り込まれることなく汚染された土壌で安全に栽培できる植物を特定するのに役立つ可能性がある。

 

[CCDC]中国における食事からのカドミウム暴露の暫定健康影響に基づくガイダンス値の設定についての声明

Statement on Establishment of A Provisional Health Based Guidance Value for Dietary Exposure to Cadmium in China

Jinfang Sun et al., CCDC Weekly / Vol. 5 / No. 22 499

https://weekly.chinacdc.cn/fileCCDCW/journal/article/ccdcw/2023/22/PDF/230130.pdf

(背景)

 中国では食品中の汚染物質の最大基準値(ML)をNational  Food Safety Standard (GB2762-2022/訳注:GB 2762-2017の改訂版)に定めており、2023年6月30日より施行される。コメ中のカドミウムの現行MLはGBn238-1984のもと40年前に初めて設定した0.2 mg/kg(籾、玄米、精米)を維持している。しかし、コーデックス委員会のMLはより高い0.4 mg/kgであり、中国の基準を見直す必要がある。そのため本研究では、MLの根拠となるJECFAが導出した健康影響に基づくガイダンス値(HBGV)の暫定耐容月間摂取量(PTMI)25 µg/kg体重が、現在の中国に適切なのかを確認することを目的とした。

食品は、カドミウムの主な暴露源で非喫煙の一般人では、摂取量の90%に寄与している。イネは他の作物よりもカドミウム汚染の影響を受けやすい。中国本土におけるカドミウムの食事からの暴露に関するHBGVの設定は、国内市場向けのコメのカドミウムのMLを決定する上で重要である。

(方法)

 この研究では、6つの省からの7,152名が参加した。尿中カドミウムおよび食品中カドミウム濃度は誘導結合プラズマ質量分析法を用いて測定した。カドミウム暴露による健康上の主要な有害影響として腎機能障害を考慮し、β2-ミクログロブリン(B2M)を腎尿細管影響のバイオマーカーとして用いて、尿中B2M濃度は自動生化学分析装置で測定した。暴露量のバイオマーカー(尿中カドミウム濃度)と反応のバイオマーカー(B2M濃度)をもとに濃度-影響モデルを構築し、ベンチマークドーズ(BMD)または基準点(RP)となる尿中カドミウムの閾値を予測した。尿中カドミウム濃度と食事からのカドミウム摂取量の相関には、中国人に特化したワンコンパートメントトキシコキネティクス(TK)モデルおよび生理学的トキシコキネティクス(PBTK)モデルを使用し、その結果から暫定HBGVを推定した。

(結果)

 中国人の尿中カドミウムに関する推定RPは0.71~1.86 µg/gクレアチニン(Cr)の範囲にあり、TKモデルに基づくPTMIは14.4~35.1 µg/kg体重で、PBTKモデルに基づくと9.0~28.5 µg/kg体重と導出された。保守的なPBTKモデルの使用と共に、高用量の影響に基づくBMDL10 をRPとして採用すると、PTMIは28.5 µg/kg体重と導出された。対照的に、TKモデルを使用したBMDL5からは、PTMIは16.5 µg/kg体重と導出された。中国における最近のカドミウムへの暴露の状況を考慮すると、中国人のカドミウムへの暴露の推奨されるPTMIは、JECFAにより推奨される値と同一である25 µg/kg体重となる。

(考察)

 この研究では、中国人の集団から導出されたPTMI値に基づいて、コメ中のカドミウムのMLの違いに関連する健康リスクを評価した。評価では、国民食品安全性調査(2015-2020年)、中国の栄養と健康調査(2015-2017年)および中国トータルダイエットスタディ(2012)の摂取量データを用いて、中国国内の様々な地域や年齢層におけるコメのカドミウム暴露量と食事からの総暴露量への寄与を分析した。その結果、全国的なコメからのカドミウムへの暴露レベルは、一般的にPTMIよりも低いことが示された。しかし、摂取量の多い集団、6歳未満の子供、中国南部地域の人は、カドミウムの暴露レベルがPTMIの値よりも高いことが示された。結論として、本研究は、コメのカドミウムの基準値をGB 2762-2017のガイドラインで定められている0.2 mg/kgを維持することを推奨する。

 

[ASA]ASA裁定

ASA Ruling on Shop TJC Ltd t/a The Jewellery Channel

21 June 2023

https://www.asa.org.uk/rulings/shop-tjc-ltd-a23-1191709-shop-tjc-ltd.html

テレショップでのEMSの宣伝。「10分使っただけで2時間のジョギングと同じ」「脂肪デストロイヤー」「EMAはカロリーを燃やす」などの主張は誤解を招く、根拠がない、誇大宣伝。

 

[FSANZ]乳児用調整乳にヒトと同じミルクオリゴ糖を添加することへの意見募集

Call for comment on the addition of four human identical milk oligosaccharides in infant formula

21/06/2023

https://www.foodstandards.gov.au/media/Pages/Call-for-comment-on-the-addition-of-four-human-identical-milk-oligosaccharides-in-infant-formula-.aspx

2'-フコシルラクトース (2'-FL) とジフコシルラクトース(DFL) (2'-FL/DFL); ラクト-N-テトラオース(LNT); 6'-シアリルラクトースナトリウム塩(6'-SL); および 3'-シアリルラクトースナトリウム塩 (3'-SL)の混合物

2023年7月7日まで

 

[FSSAI]FSSAIはヒマーチャル・プラデーシュの栄養補助食品会社に警告

FSSAI Warns Nutraceutical Companies in Himachal Pradesh

20 June 2023

https://www.fssai.gov.in/upload/uploadfiles/files/Press%20Release_FSSAI_200623.pdf

FSSAIは全国で行われている栄養補助食品会社によるニセ薬の製造の脅威を抑えるサーベイランスを開始した。この活動の一環として、FSSAIはまず最初にヒマーチャル・プラデーシュ州から始めた。

2023年6月7-9日にBaddiで操業している21の施設を査察し111検体を収去した。6月末までにはさらに25-30%の栄養補助食品製造施設を査察する。この問題についてFSSAIはBaddiのサプリメントと栄養補助食品の主要製造業者とFSSAIの本部で6月20日に会合を行った。

この会合でFSSAIのCEOは栄養補助食品規制に厳密に従うことの絶対的必要性を強調した厳しい警告をした。法令違反は犯罪としての捜査や許可取り消しなどの重大な帰結になるだろう。

 

参考

‘Spurious drugs’: Centre cracks down on 18 firms

Mar 29, 2023

https://www.hindustantimes.com/india-news/spurious-drugs-centre-cracks-down-on-18-firms-101680028438438.html

↓の件でインドの製薬会社が質の悪い薬を作っていることが問題になって取り締まりを行った。

それが「製薬会社」だけではなく健康食品会社も関与しているらしいという話。サプリメントがもともとニセ薬みたいなものだから当然なのかも

[ProMED]エチレングリコール中毒-ウズベキスタン:薬物中毒、疑い、致死

https://uneyama.hatenablog.com/entry/2023/01/04/180903

 

[EU]シミュレーションモデルは政策に使うのに十分良いか?

Sense about science

Are simulation models good enough for the policies that use them?

https://senseaboutscience.org/activities/are-simulation-models-good-enough-for-the-policies-that-use-them/

気候変動やCovid-19パンデミック、エネルギー計画など、政策決定にシミュレーションモデルを使うことが増えている。その信頼性や妥当性を決めるためにモデルの強みと限界を理解することが必須である。

そこで私たちはJRCのモデリングと決定解析の能力センター(CC-MOD)と協力して新しいガイダンス「政策決定にシミュレーションモデルを使った提案をされたときに尋ねるべき質問」を作った。

ライブ放送でガイダンス発表イベントを行った

Supporting policy with scientific evidence

19 JUN 2023

https://knowledge4policy.ec.europa.eu/event/use-models-policymaking-questions-you-should-ask_en

ガイダンス本文は以下からダウンロードできる

https://publications.jrc.ec.europa.eu/repository/handle/JRC133950

問うべき質問

○そのモデルについて

モデルのデータについて何を知っているか?

ソースは?

最新か?

データの来歴と質は?

バイアスや限界は?

欠損や妥当性は?

データとデータの関係は?

不確実性は?

モデルの想定について何を知っているか?

確かな根拠はあるか?

考慮されていないことは何か?

モデルの正確さはどのくらい?

そのモデルは政策課題に適しているか?

○そのモデルの透明性は?

モデルの入力や出力は公開されているか?

モデルのコードは入手可能で明確に記述されているか?

モデルの開発とパフォーマンス文書は入手可能か?

○モデルの質について

そのモデルは科学コミュニティの間で議論されて独立した専門家がレビューしたか?

想定や結果は可能な限り多くの関係者で議論されて妥当性を検証されたか?

他のモデルと比較されたか?

不確実性について述べられ説明されているか?

新たな文脈で使用されているか?それによって新たな限界が生じているのではないか?

○モデルの結果は明確に正確に伝えられているか?

モデルの回答すべき質問は明確で問題となっていることに適しているか?

モデルの結果は明確に提示され説明されているか(グラフ含む)?

モデルの結果は特定の文脈に関するものか?

不確実性は明確に提示されているか?

結果の意味と同様限界も説明されているか?

 

(パンデミックでは数理モデルを使って人を動かそうとした人達のせいでモデルへの信頼は相当低いような。前提条件等をちゃんと説明するのはかなり大変なのに適当な報道多過ぎ)

 

論文

-COVID-19パンデミック後、英国少女の摂食障害と自傷が長く増加してる、これまでで最良の根拠が示唆

THE LANCET CHILD & ADOLESCENT HEALTH: Prolonged rise in eating disorders and self-harm among adolescent girls in the UK following the COVID-19 pandemic, best evidence to date suggests

20-JUN-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/992840

COVID-19パンデミックの最初の2年間 (March 2020–March 2022)の英国の13-16才の少女の摂食障害の率はそれまでの傾向から予想される率より42%高く、自傷は38%高い

 

-ネパールで血圧を下げるために地域の医療従事者によって行われた12ヶ月のライフスタイル介入の持続可能性:オープンラベル、クラスター無作為化(COBIN)試験の5年フォローアップ

Sustainability of a 12-month lifestyle intervention delivered by community health workers in reducing blood pressure in Nepal: 5-year follow-up of an open-label, cluster randomised (COBIN) trial

20-JUN-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/993045

The Lancet Global Health

12ヶ月の介入の終わりには、介入群のほうが収縮期圧が有意に低かった。今回はその60ヶ月まで後のフォローアップ。60ヶ月後は介入群の方が対照群より血圧が高かった。

この結果は介入を止めると効果は持続しない可能性があることと、介入は長期的には有害かもしれないことを示唆する。

 

-ノースカロライナ州Fayetteville近くに住む犬と馬の血液からPFASがみつかる

PFAS found in blood of dogs, horses living near Fayetteville, NC

21-JUN-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/992899

Environmental Science and Technologyに発表された、ノースカロライナ州立大学による、ペットの健康が不安だという住民の要請にこたえて測定した結果。31頭のイヌと32頭のウマ。住民は全て州の調査でPFAS汚染があるとされた井戸水を使っている。

33種類のPFASを調べ、20種を動物で検出。犬の血清中濃度が最も高かったのはPFOS。井戸水から検出されているGenXは井戸水を飲んでいる犬とウマからしか検出されていない。井戸水を飲んでいる犬のPFOSとPFHxSの中央値はWilmington GenX暴露研究で子どもたちに報告されているのと同程度の濃度だった。一方ボトル入りの水を飲んでいる犬の血清からは異なる種類のPFASが検出された。

全体として犬よりウマの方が血中PFAS濃度は低かった

 

-マスク誘発性心肺ストレス 無作為化クロスオーバー試験

Evaluation of Mask-Induced Cardiopulmonary Stress

A Randomized Crossover Trial

Riqiang Bao, et al.,JAMA Netw Open. 2023;6(6):e2317023.

https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2805809

N95マスクは生理的、生化学的、認知的パラメーターに有意に影響する

 

その他

視点:IARCのアスパルテーム報告書は世界的に却下されたグリホサートの発がん性と同調-議論のある組織はWHO、米国、及び日本からの譲歩指示を無視し科学者が「正統でない」とよぶ解析を発表した

Viewpoint: IARC’s aspartame report echoes globally-rejected glyphosate cancer determination — Controversial organization ignores ‘back-off’ directive from WHO, US and Japan, releasing what scientists call an ‘illegitimate’ analysis

David Zaruk | June 20, 2023

https://geneticliteracyproject.org/2023/06/20/viewpoint-iarcs-aspartame-report-echoes-glyphosate-cancer-determination-controversial-organization-ignores-back-off-directive-from-who-us-and-japan-releasing-wh/

人工甘味料のような食品添加物は保健当局、研究者、独立検査室、活動家科学者らによって絶え間なく調べられてきた。30年の厳しい吟味を経て、アスパルテームは全ての国の規制機関とEFSAによってヒト摂取に安全と宣言されて続けてきた。

アスパルテームは大企業が使う化学物質なので、恐怖やデマを広める活動家による終わることのない怒りの対象になってきた。今回、NGOと一部のメディアと活動家科学者と米国の不法法律事務所と徒党を組んだRamazziniがIARCのアスパルテームモノグラフを支配した。30年を経て、彼らのチャンスがやってきた。小さな問題は一つだけ、IARCモノグラフ 134アスパルテームは非正規illegitimateである。

JECFAかIARCか?

WHOの中には食品添加物の評価を専門にする科学組織JECFAがある。国際取引基準に責任があるコーデックスはJECFAの評価を参照する。JECFAの仕事は重要で真剣に管理されている。JECFAはこれまでアスパルテームを何度も評価・確認し、ADI 0-40 mg/kg bwとしている。2021年に、2023年6月27日から7月6日までアスパルテームの再評価を予定した。

WHOにはJECFAが公式に食品添加物を評価するのに、何故IARCが自らの管轄ではないアスパルテームに鼻を突っ込むのか?理由はいくつか考えられる。

・第一にCollegium Ramazziniの人達はJECFAの専門家に影響力をもたない。先に示したように、Ramazziniは20年にわたってアスパルテームを貶めようとしてきたので今回はIARCを使った

・JECFAはリスク評価をするがIARCはハザード評価をする。従ってJECFAはアスパルテームはある用量では安全だと結論する。これはIARCが(摂取量に関わらず)アスパルテームは発がん性だと宣言するよりはるかにインパクトが小さい。

・米国の不法法律事務所はリスク評価を根拠に炭酸飲料企業を訴えることができない。原告がたくさんのソーダを飲むことを示さなければならないので。Ramazziniの人を連れてきてアスパルテーム!がん!WHO!と宣言させる方が簡単だ。

・最後にIARCは他の組織や内部の手順を気にしない。彼らはこれまでもWHOの懸念に耳を貸さなかった

率直に言ってWHOはグリホサートでの大失敗の後でIARCを切り離すべきであった。

「女性は向きを変えるべきではない」

IARCはその最大の加盟国のうちの二つ、米国と日本からのリクエストも無視した。日本と米国は昨年IARCにアスパルテームの管轄はJECFAなのでモノグラフは実施しないように求めていた。WHOの異なる機関が異なる結論を出すと人々を混乱させるから。透明性規則によってFDAはその2022年8月12日付けの文書を公開している。その要約は:

我々はJECFAのほうがアスパルテームの摂取に関するリスクを評価するのに適していると考える――JECFAのレビューは食品安全と公衆衛生にとってIARCより大きな影響があると信じる。

これは極めて明確で疑う余地はない。IARCは引き下がるべきだ。この文書がモノグラフ会合の10ヶ月前だったので十分時間はあった。

WHOの回答は7週間後の9月29日で、IARCはハザード評価をしJECFAはリスク評価をするので補完的だと主張する。彼らが認めなかったのは、そしてFDAが知っていたのは、リスク評価にはハザード評価も含まれることである。つまりアスパルテームのハザード評価は意味がない。その目的が人々を混乱させそれを利用しようとする人達を喜ばせようとするものでなければ。

2017年にIARCがグリホサートを巡って国際的紛争を引き起こした後、IARCの長官はWHOの他の科学委員会と調和してこのような混乱し矛盾したメッセージを出すようなことを繰り返さないようにと警告され確認されていたのにまた同じことをやったことは驚くべきことである。WHOは当時からIARCがアスパルテームを計画していたことを知っていたようだ。JECFAが優先されると特に言及しているので。

言うまでもなくIARCはWHOの要請を無視しアスパルテームモノグラフを強行した。3月のIARC長官報告で彼らはIARCとJECFAの二つの研究が必要だと主張している。さらに興味深いことに、おそらく日本とアメリカからの批判を躱そうとしてIARCの結果はJECFAの会合が終わるまで公表しないというアメリカからの要求に合意していることである。

WHOの米国FDAからの文書への回答とIARC長官の報告には矛盾がある。WHOの文書ではIARCがJECFAにアスパルテームモノグラフを提供しJECFAがそれをハザード評価に統合すると言っている。つまり発表されるのはJECFAから一つの出版物、である。IARC長官報告ではIARCの結果はJECFAの会合が終わったらすぐLancet Oncologyに発表される、という。IARCはまたWHOの決定と発表を無視している。

IARCがWHOや加盟国の意見を聞かないためにJECFAはホームページにIARCのやっていることについて説明するパラグラフを発表せざるを得なかった。もしあなたがどうして多くの科学者がRamazzini-IARC派閥を嫌いなのかと不思議に思うなら、WHOのプレスリリースの短い鋭い文章の調子を読み取る以上の必要はない

IARCのアスパルテームモノグラフワーキンググループメンバー

私がインタビューしたアスパルテームについて10年以上の経験のある毒性学者は、このメンバーの食品添加物についての経験の無い人の数に驚いていた。でも長い間IARCを追いかけている私にとっては驚きではない。専門性ではなくネットワークとご都合主義である。

大体1/3はモノグラフ128(アクロレイン、アレコリン、クロトンアルデヒド)と同じメンバーである

注目のメンバーの一人は反食品添加物活動家、フランスのMathilde Touvier博士である。彼女はNutriNet-Santéとして知られる現在進行中の研究に関与し、メディアに積極的に出演してアスパルテームのような加工食品の危険性を訴えている。彼女のプレゼンでは彼女は自分自身を食品企業に立ち向かう英雄と位置づけている。しかし彼女の振る舞いは科学的倫理基準からは外れている。

最近のBBCパノラマ特集ではアスパルテームやその他食品添加物の悪をTouvierに語らせている。その中で彼女は未発表のピアレビューされていない「新しい」データを提示している。彼女はどんな論文よりBBCのほうが力があるのを知っていて「乳化剤はがんや心血管系疾患と有意に関連する」と主張している。これは活動家科学者がよくやることである。

以下Ramazziniの説明等略