2023-12-20

[Codex]プレスリリース

-コーデックス規格の影響を見るには、「各国内で火をつける必要がある」

“The fire must start within the countries” to see the impact of Codex standards

06/12/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1670957/

12月1日、ローマで開催された第46回コーデックス総会で行われた一連のサイドイベントの一環として、5カ国がコーデックス規格の影響力を示す自国での経験例を提示した。FAOの食品安全担当官であるCatherine Bessy氏は、このイベントを紹介する中で、FAOが食品安全に関する能力開発の一環として目指している4つの戦略的成果について概説した。続いて、マダガスカル、キルギス、サウジアラビア、エジプト、ウガンダが、それぞれの国での規格の使用と実施について、異なる視点と異なる例を示した。

最後にBessy氏は:「各国内で火をつける必要がある。そして今日、私たちはそれを目の当たりにした。」コーデックス規格の実施に対する関心とダイナミズムは、「私たちが未来にインパクトを与えること」を確実なものにしていると述べた。

 

-コーデックスの新ガイドラインは、食品事業者が水のハザードに対処するためにどのように役立つか

How new Codex guidelines will help food business operators address hazards in water

14/12/2023

https://www.fao.org/fao-who-codexalimentarius/news-and-events/news-details/en/c/1673523/

今月初め、第46回コーデックス総会は、食品の製造と加工における水の安全な使用と再利用に関する重要な新ガイドラインの採択に合意した。本ガイドラインは、食品製造・加工に携わる食品事業者が調達・使用・再利用する水が、微生物学的安全性の観点から目的に適合しているかを判断するために、リスクに基づくアプローチを適用するための一般原則の枠組みと事例を提供するものである。

コーデックス事務局の上級食品規格担当官であるSarah Cahill氏は、「食品の生産と加工においては、飲用水へのアクセスが常に選択肢となるわけでない。したがって、フードチェーンの各段階において、さまざまな水源からの水を安全に利用できるような手段を持っていることが重要である。このガイドラインは、食品セクターにおける水使用に対するリスクに基づくアプローチの適用に役立つ重要なツールであり、多くの人々にとって水が希少資源であることを認識し、目的に適合した手法に焦点を当てる」と述べた。

 

[EU]委員会は動物福祉を改善する新しい規則を提案

Commission proposes new rules to improve animal welfare

18/12/2023

https://ec.europa.eu/newsroom/sante/items/811214/en

DG SANTEの動物福祉ユニットは輸送中の動物福祉についての画期的提案を主導し犬猫の新しい規則を前進させる。

(猫は外に出さないという共存のための提案を動物福祉の名目で否定。畜産でもそうだが欧州の特定集団の価値観を絶対的真実であるかのようにいう。)

 

[EU]農薬使用抑制法案、欧州議会で過半数割れ

No majority in Parliament for legislation to curb use of pesticides

22-11-2023

https://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20231117IPR12215/no-majority-in-parliament-for-legislation-to-curb-use-of-pesticides

欧州議会は本日、植物保護製品の持続可能な利用に関する欧州委員会の提案を事実上否決した。11月21日(火)の討論を受け、水曜日に、本会議で修正された欧州委員会の提案に対する投票が行われ、欧州議会議員299人が否決、207人が支持、121人が棄権した。この投票により、欧州議会は欧州委員会の提案を事実上否決し、第一読会を終了した。理事会はなお、同提案を最終的に否決するか、議会に差し戻して第2読会に付すか、理事会の立場を決定しなければならない。

 

[ANSES]マルハナバチは農薬使用の影響を受ける

Bumblebees affected by pesticide use

30/11/2023

https://www.anses.fr/en/content/bumblebees-pesticide

ANSESが寄与した研究は、植物保護製剤の使用のマルハナバチ集団への有害影響を明らかにした。研究により、保護製剤の残留の最高値が測定された地点のコロニーでは子孫が減少し、より低重量であることが判明した。研究結果は、2023年11月29日にNature誌に公表された。

研究には、どのような背景があったのか?

この研究は、2018年から2023年まで、ANSESを含む欧州14カ国のパートナーが参加したPoshBeeプロジェクトの一環として実施された。その目的は、化学物質への花粉媒介者の暴露とその健康影響をより詳細に調査することであった。3種の花粉媒介者を研究した:ミツバチ、セイヨウオオマルハナバチ及び野生のツツハナバチである。研究では、異なる生態学及び生物学的特性を持つ花粉媒介昆虫種を含むようにした。ミツバチに加えてマルハナバチとツツハナバチを選択したのは、異なる植物に受粉するためであり、又、調査地で放たれる前に飼育下で繁殖できるため、研究が容易になった。

マルハナバチに関する研究の主な結論は何であったか?

11月29日にNature誌に公表された結果は、特にマルハナバチに対する農薬使用の結果に焦点を当てた。それらは、異なる8カ国の106の地点で行われた測定に基づいていた。科学者は、各地点で、マルハナバチが巣に持ち帰った花粉に含まれる植物保護製剤を特定し、定量化した。これらの製品の中で、マルハナバチにとって最大のリスクは殺虫剤であった。農薬暴露が最も低い地点のコロニーは、他地点よりも子孫を50%多く残した。

更に、調査したマルハナバチのコロニーの60%は、重量の10%以上を消失した。10%の消失は、欧州食品安全機関(EFSA)が、植物保護製剤に暴露された花粉媒介者の保護のための欧州ガイダンス文書の改訂で提案した閾値であった。EFSAは、マルハナバチの発育を脅かすことを避けるために、コロニーは重量の10%以上を消失すべきではないと考えた。

この研究プロジェクトでANSESはどのような役割を果たしたのか?

PoshBeeの一環として実施された花粉媒介者に関するすべての研究において、ANSESは化学的、栄養学的及び病原体によるストレスへの暴露の測定を調整した。それは、サンプルの収集と保管から試験施設への発送まで、すべての参加者に共通のプロトコルの作成に関与した。植物保護製剤に関しては、ANSESはサンプルの分析を担当する4つの試験施設すべてに共通の測定対象化合物のリストを決定し、すべての参加者の結果をまとめるためのデータベースを開発した。最後に、結果の統計分析に参加した。

今後、研究はどうなるのか?

PoshBeeプロジェクトの追加結果が、まもなく発表される。ANSES Sophia-Antipolis研究所は、Ploufragan-Plouzané-Niort研究所と協力して、農薬への暴露、感染症や寄生虫による汚染、栄養要因、その他の環境要因など、ハチのコロニーの弱体化を説明する要因や、それらがどのように相互作用しているのかをより深く理解するために、これらの結果の分析を続ける予定である。

*Nicholson, C.C., Knapp, J., Kiljanek, T. et al. Pesticide use negatively affects bumble bees across European landscapes. Nature (2023). https://doi.org/10.1038/s41586-023-06773-3

 

[ANSES]ゴキブリ、トコジラミなどを根絶させるために禁止製品を使わないこと!

Cockroaches, bedbugs... to eradicate them, don't use banned products!

05/12/2023

https://www.anses.fr/en/content/health-authorities-warning-dangers-banned-insecticides

フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)と中毒管理センター(CAP)は、2018年1月から2023年6月にかけて、SNIPER 1000 EC DDVPに関連する163件の中毒事例を登録した。この製品にはフランスで禁止されている殺虫剤、ジクロルボスが含まれている。

中毒事例が増加し、トコジラミの蔓延に関する過熱報道を受け、衛生当局は、禁止されている殺虫剤の使用による潜在的なハザードを全ての人に注意喚起したいと思っている。

2023年12月5日のトキシコビジランス報告書は、ジクロルボスが含まれるSNIPER 1000 EC DDVPの使用に関連して2018年以降に発生した中毒事例について、ANSESとCAPが実施した分析結果を発表した。

2013年に禁止された有害製品

この有機リン系の有効成分は、吸入すると致死、皮膚に接触又は飲み込むと有害、と分類されている。喘息のような呼吸器症状、意識障害になる可能性のある眼や神経障害、皮膚アレルギーを引き起こす可能性がある。また、水生生物への毒性も高い。フランスでは2013年以降、家庭用殺虫剤への使用が禁止されている。

しかしながら、ジクロルボスを主成分とする殺虫剤は、主に海外(EU域外)から輸入され、市場やバザールで違法に販売されている。これらの製品は、SNIPER 1000 EC DDVP®やSHOOTER 1000 EC DDVP®という名で、トコジラミやゴキブリなどの害虫駆除を用途として販売されている。こうした殺生物製品はまた、電子商取引プラットフォームやソーシャルメディアの個人広告を介して見つかることもある。

中毒事例の増加

フランスでは2013年に家庭での使用が禁止されたにもかかわらず、CAPは、2018年1月1日から2023年6月30日までにSNIPER 1000 EC DDVP®の関与する170件の事例を記録した。この期間に、合計206人がこの製品に暴露された。

2018年以降、この殺虫剤による中毒事例数は増加し、2022年1月から2023年6月の間に104事例が報告されている。この増加は、近年のトコジラミ蔓延の急増に照らして見る必要がある。2023年7月のANSESの専門家評価で、2017年から2022年にかけて、フランスの家庭の11%でトコジラミが発生していたことがわかった。

CAPに報告されたほとんどの中毒事例は軽度だったが、約10%は中等度、5.5%は極めて重度で、死者3人(事故、あるいは自殺を意図した摂取)を含んでいた。

購入場所の情報は、ANSESとCAPによるケーススタディの約半数で入手できた。ほとんどの人は、特にパリ北部自治区やセーヌ・サン・ドニ県の北部自治区の、市場(37.1%)又は店舗・バザール(20%)で購入していた。

消費者を保護するための当局の働き

消費者保護の一環として、競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)は、長年、一般人用殺生物剤、特にトコジラミ駆除製品の法令遵守を監視してきた。

2023年初め以降、DGCCRFは500以上の店舗、電子商取引プラットフォーム、ソーシャルネットワークに全国的な検査を実施し、約400本のSNIPER 1000 EC DDVP®やSHOOTER 1000 EC DDVP®が23の販路ですでに押収され、オンライン広告は取り下げられた。

さらに、2023年11月8日以降、RappelConsoのウェブサイト上で、SNIPER 1000 EC DDVP®を対象としたリコールキャンペーンを行っている。

当局はトコジラミの対処法を注意喚起する

中毒事例の急増に応えて、衛生当局は、家庭でのトコジラミ蔓延の際の対処法について注意を促している。トコジラミはほとんど全ての店頭の殺生物剤に耐性ができている。その結果、化学的管理よりも物理的(機械的、熱的)管理がまず優先される。蔓延が続く場合、環境連帯移行省(Ministry of Ecological Transition)に登録された「certibiocide」証明書を持った、教育を受けた害虫駆除の専門家に連絡することを推奨する。連帯・保健省(Ministry of Health and Prevention)ウェブサイトの「Punaises de lit(トコジラミ)」ページの「Punaises de lit? L'État vous accompagne(トコジラミ?政府が手伝います)」や、環境連帯移行省(Ministry of Ecological Transition)のウェブサイトの「Stop punaises(トコジラミを食い止めよう)」ページで、助言や情報が入手できる(フランス語のみ)。

質問があれば、全国ホットラインに電話してほしい。地元の住宅情報局(ADIL)のアドバイザーが喜んで必要な対策を説明する。最後に、原則として、殺生物製品は、散布や保管に関して助言できる従来の流通経路からの購入を選択すること。

 

[フィンランド食品局]フィンランド東国境の国境管理所は2024年1月14日まで閉鎖

Border control posts on the eastern border of Finland closed until 14 January 2024

December 18/2023

https://www.ruokavirasto.fi/en/themes/import-and-export/uutiset/border-control-posts-on-the-eastern-border-of-finland-closed-until-14-january-2024/

ロシアとフィンランドの国境がVainikkala以外は閉じられる。このことはロシアから生きた動物や動物由来製品の輸入が完全に停止することを意味する

(難民流入阻止のため、と言われている)

 

[FDA]あなたの犬猫を休日のハザードから守る

Keep Your Dogs and Cats Safe From Holiday Hazards

11/21/2023

https://www.fda.gov/consumers/consumer-updates/keep-your-dogs-and-cats-safe-holiday-hazards

動画有り

 

[FDA]高濃度の鉛の調査:シナモンアップルソースパウチ(2023年11月)

Investigation of Elevated Lead Levels: Cinnamon Applesauce Pouches (November 2023)

https://www.fda.gov/food/outbreaks-foodborne-illness/investigation-elevated-lead-levels-cinnamon-applesauce-pouches-november-2023

情報更新(December 18, 2023)

FDAによるエクアドルのAustrofoods社施設への立ち入り検査は終了した。しかし、回収されたシナモンアップルソースのパウチ中の鉛濃度の上昇に関するFDAの調査は継続されている。Negasmart社からAustrofoods社に供給されたシナモンサンプルを採取し分析した結果、5,110 ppmと2,270 ppmという極めて高いレベルの鉛汚染が確認された。なお、国際的な規格策定組織であるコーデックス委員会は、2024年にシナモンを含む樹皮スパイス中の鉛の最大基準値を2.5 ppmとすることを検討している。

FDAは複数の製品を検査したが、現在のエビデンスに基づき、現時点ではこれ以上リコールに追加される製品はない。さらに、FDAと州のパートナーは、少なくとも136サンプルの非シナモン含有製品を検査し、すべてのサンプルで鉛濃度の上昇はなかった。これらのサンプルのうち、11サンプルがWanaBanaピューレのSmoothie Mango Passionfruit Banana味であり、これらのうち3つは、国家規制・管理・衛生監視庁(Agencia Nacional de Regulación, Control y Vigilancia Sanitaria:ARCSA)が当初、鉛について陽性と報告したものと同じロットであった。FDAの結果はすべてのサンプルについて鉛濃度の上昇はなかった。さらに、FDAは輸入時にWanaBana Organic Mango Pureeのサンプルを採取したが、鉛濃度の上昇について陰性であった。

現時点では、FDAはまだ、Negasmart社に対する調査支援をエクアドル当局に頼っている。今のところ、FDAはNegasmart社が米国に直接製品を出荷していないこと、Negasmart社の直接の顧客のうち、Austrofoods社のみが米国に製品を出荷していることを確認している。

さらに、ARCSAのエクアドル政府関係者によれば、Negasmart社はエクアドル国外に製品を出荷していないとのことである。また、ARCSAの報告によると、これまでの検査では、エクアドルのすべてのシナモン輸入業者の生鮮シナモン/未加工シナモンは鉛に汚染されていないが、Negasmart社の粉砕または粉末シナモンは汚染されているとのことである。Negasmart社が使用しているエクアドルの加工業者は現在操業していない。

現時点での情報では、米国では汚染されたシナモンはすでにリコールされたアップルソース製品のみに限定されているが、FDAはリコールされた製品に含まれるシナモンが米国に輸出された他の製品に使用されたかどうかを調査中である。今のところ、特定の国からの輸入シナモンに対するスクリーニング強化は継続中で、FDAはこの問題が今回のリコール製品以外にも拡大する兆候はないとしている。

FDAは、米国に製品を直接出荷しない外国の原料供給業者に対する権限が限られている。従って、FDAはNegasmart社に対して直接的な措置を講じることはできない。しかしながら、エクアドル当局とは緊密に連携しており、エクアドル当局は汚染の原因について迅速な独自調査を行っている。FDAは寄せられた情報を積極的に評価し、公衆衛生をさらに守るために利用可能なあらゆる資源を活用している。

エクアドル当局との調整に加え、FDAはAustrofoods社が製造したシナモンアップルソースのパウチから高濃度の鉛が検出されたことについて、現在進行中の調査を他国にも周知する措置を取っている。この努力の一環として、FDAは、200を超えるパートナー国を有する世界保健機関(WHO)の国際食品安全機関ネットワーク(INFOSAN)を通じて、FDAの公衆衛生勧告の最新版を他国に送っている。

最後に、特に小さな子供のいる家庭では、この事件に対する認識と関心が高いことを理解している。そのため、FDAは、調査に関する最新情報をタイムリーに提供し続けることに加え、可能な限り透明性を保ち、情報を率直に提供するために、調査の初期段階を詳述したタイムラインも提供している。

最初のタイムラインには掲載されていない過去の更新情報は、「Previous Updates」のセクションで見ることができる。FDAは情報が入手可能になり次第、勧告を更新する。

更新情報(December 19, 2023)

2023年12月19日現在、FDAはリコール製品に関連する可能性のある有害事象について69件の苦情/報告を受けている。現在までのところ、確認された苦情申立人、すなわち苦情または有害事象が提出された人は6歳未満である。

CDCの国立環境衛生センターは、州および地方の保健局と協力して症例発見活動を行っている。CDCの州パートナーに対する症例定義には、2022年11月以降にリコールされたWanaBana、Schnucks、Weisブランドのフルーツピューレ製品を摂取後3カ月以内に測定された血中鉛濃度が3.5μg/dL以上であることが含まれている。12月15日現在、CDCは報告体制を通じて、33の異なる州から67例の確定症例、122例の可能性症例、16例の疑い症例、合計205例の報告を受け取っている。詳細については、CDCのページで症例報告の方法と調査結果を確認すること。

CDCとFDAはデータソースが異なるため、各機関が報告した数は直接一致しない。さらに、汚染された製品の影響を受けた人の中には、FDAが報告した数とCDCが報告した数の両方に反映されている可能性があるため、両者の数を合算すべきではない。

 

[CDC]シナモンアップルソースパウチ製品に関連した鉛中毒の発生

Lead Poisoning Outbreak Linked to Cinnamon Applesauce Pouches

Data updated as of December 5, 2023.

https://www.cdc.gov/nceh/lead/news/lead-poisoning-outbreak-linked-to-cinnamon-applesauce-pouches.html

2023年10月31日、WanaBana社は、現在進行中の鉛汚染食品に関するFDA調査の一環として、WanaBana社のアップルシナモンフルーツピューレパウチ製品を賞味期限やロットコードに関係なく全てリコールした。2023年11月9日、WanaBana社はリコールを拡大した。さらに2つのブランド製品もリコールの対象となっている: 1) Schnucks社のシナモン味のアップルソースパウチ製品とバラエティパックの一部、2) Weis社のシナモンアップルソースパウチ製品の一部。

CDCとFDAはデータソースが異なるため、各機関が報告した数が一致しない可能性があることに注意すること。さらに、汚染された製品の影響を受けた人の中には、FDAが報告した数とCDCが報告した数の両方に反映されている可能性があるため、両者の数を合算すべきではない。FDAは、FDAに有害事象報告書として医療従事者、消費者、および一部の州のパートナーから提出された自己報告情報を、ある製品が苦情申し立て者の間で共有される暴露源となる可能性があるかどうかを判断する最初のステップとして信頼している。病原体と遺伝的に関連する食中毒の集団発生とは異なり、個人の鉛暴露は複数の原因から生じる可能性がある。個人の鉛暴露を特定の発生源と結びつける確立された方法はないため、因果関係の立証は困難である。

症例は州保健局を通じてCDCに報告される。州保健局は、さまざまな情報源から潜在的症例の報告を受け、症例の定義に合致するかどうかを判断するためにフォローアップを行う。CDCの症例カウントの対象となるためには、2022年11月以降にリコールされたWanaBana、Schnucks、Weisブランドのフルーツピューレ製品を摂取した後、3ヶ月以内に測定された血中鉛濃度が3.5 µg/dL以上でなければならない。入手可能な情報量に基づいて、CDCは各州に対し、症例をさらに「疑い例(suspected case)」、「可能性例(probable case)」、「確定例(confirmed case)」に分類するよう求めている。調査が進むにつれて、症例が異なる症例カテゴリーに分類されることもある。

何をすべきか

リコールされたアップルシナモンフルーツピューレパウチ製品は食べないこと。捨てるか、購入先に返品する。

あなたやあなたの子供がリコール製品を摂取した可能性がある場合、鉛の血液検査を受けることについて医療機関に連絡する。

企業がなすべきこと

アップルシナモンフルーツピューレパウチ製品を販売・提供しないこと。

製品を適切に廃棄するために、小売業者はゴミ箱からリコール製品を回収することを防ぐため、包装を廃棄する前に袋を注意深く開封し、中身をゴミ箱に空けなければならない。

製品を捨てた後、こぼれたものをきれいにし、手を洗う。

鉛暴露の症状

鉛に暴露された子供は、明らかな急性症状を示さないこともある。しかし、低レベルの鉛であっても、学習や行動の問題、聴覚や言葉の問題、成長や発達の遅れと関連している。これは、IQの低下、注意力の低下、学校での成績不振として現れる可能性がある。大量の鉛にさらされた子供は、以下のような急性鉛中毒の症状を発症する可能性がある。

・腹痛、便秘、吐き気

・貧血

・衰弱と疲労

・重度の神経症状(痙攣、脳障害、昏睡を含む)

子供が鉛に暴露された可能性があると思われる場合、親は子供の医療提供者に血液中の鉛検査を受けるよう相談すべきである。医療機関やほとんどの地域の保健所では、血液中の鉛を検査することができる。多くの民間保険は、血中鉛の検査費用を負担している。メディケイドに加入している子供の血中鉛検査費用は、メディケア&メディケイド・サービスセンターが負担する。

暴露による健康への影響は、6歳未満の子供ほど大きくなる。幼児はまた、鉛の粉塵に汚染されている可能性のある手や他の物を口に入れる傾向があるため、年長児よりも鉛にさらされる可能性が高い。

CDCの症例定義

(訳注:CDCは2021年に、医学的な観察を必要とする血中鉛濃度の参考値BLRVを3.5 µg/dLと指定している)

「疑い例(suspected case)」:リコール製品の摂取後3カ月以内に、キャピラリー採血又は不特定の検査で血中鉛濃度が3.5 µg/dLを超過。キャピラリー採血検査よりも静脈検査の方が正確。

「可能性例(probable case)」:リコール製品の摂取後3カ月以内に、静脈検査で血中鉛濃度が3.5 µg/dLを超過。ただし、他の鉛暴露源を除外するためのフォローアップ調査を受けていない、又は受けており他の暴露源が確認された例。

「確定例(confirmed case)」:リコール製品の摂取後3カ月以内に、静脈検査で血中鉛濃度が3.5 µg/dLを超過。かつ、他の鉛暴露源を排除するフォローアップ調査を受けている例。

速報(2023年12月1日時点)

 CDCは州および地方の保健局から以下の報告を受けている:

総症例数:52

確定例:18

可能性例:30

疑い例:4

州:コロラド州、フロリダ州、アイダホ州、イリノイ州、カンザス州、ケンタッキー州、ルイジアナ州、ミネソタ州、ネブラスカ州、オハイオ州、オレゴン州、テキサス州、ウェストバージニア州

リコール:あり

調査状況:活動中

速報(2023年12月8日時点)

総症例数:125

確定例:46

可能性例:68

疑い例:11

州:カリフォルニア州、コロラド州、フロリダ州、アイオア州、アイダホ州、イリノイ州、インディアナ州、カンザス州、ケンタッキー州、ルイジアナ州、ミネソタ州、ノースカロライナ州、ネブラスカ州、ニューハンプシャー州、ニューヨーク州、オハイオ州、オクラホマ州、オレゴン州、テネシー州、テキサス州、ウィスコンシン州、ウェストバージニア州

リコール:あり

調査状況 活動中

速報(2023年12月15日時点)

CDCは州および地方の保健局から以下の報告を受けている:

総症例数:205

確定例:67

可能性例:122

疑い例:16

州:(総計33州)アラバマ州、アーカンソー州、カリフォルニア州、コロラド州、フロリダ州、ジョージア州、アイオア州、アイダホ州、イリノイ州、インディアナ州、カンザス州、ケンタッキー州、ルイジアナ州、メイン州、ミシガン州、ミネソタ州、ミズーリ州、モンタナ州、ノースカロライナ州、ノースダコタ州、ネブラスカ州、ニューハンプシャー州、ニューヨーク州、オハイオ州、オクラホマ州、オレゴン州、ペンシルバニア州、テネシー州、テキサス州、バージニア州、ワシントン州、ウィスコンシン州、ウェストバージニア州

リコール:あり

調査状況:活動中

 

[APVMA]クロルピリホスの再検討に関する規制上の決定案

Proposed regulatory decision for chlorpyrifos reconsideration

12 December 2023

https://www.apvma.gov.au/news-and-publications/news/proposed-regulatory-decision-chlorpyrifos-reconsideration

オーストラリア農薬・動物用医薬品局(APVMA)は、農業、園芸、商業及び獣医学の様々な状況で害虫防除に使用される殺虫剤、クロルピリホスの再検討に関する決定案を発表した。APVMAは以下を提案している:

提案された改訂純度要件を遵守する有効成分の認可の変更と確認。

少なくとも1つの使用パターンが支持されるよう提案されている製品登録及び関連するラベル認可の変更と確認。

残りの有効成分の認可、製品登録及び関連するラベル認可の取り消し。

提案された決定には、現行のすべての有効成分、化学製品及び関連するラベルについての検討が含まれる。

支持又は支持しないことが提案されているクロルピリホスの使用の要約を、APVMAのウェブサイトで入手できる。基礎となるリスク評価の要約は、Review Technical Reportにも掲載されている。提案された決定に関する意見募集期間は3カ月間であり、2024年3月11日に終了する。2023年12月12日のAPVMA官報には、提案された決定に関する詳細情報と提出方法が記載されている。提案された決定は、クロルピリホスを含む特定の製品の使用に関連するリスクを低減するためにAPVMAが以前に講じた暫定措置に続くものである。

クロルピリホスの使用の要約:Chlorpyrifos uses

https://www.apvma.gov.au/chemicals-and-products/chemical-review/listing/chlorpyrifos/chlorpyrifos-summary-assessment-outcomes-proposed-regulatory-decision

Chlorpyrifos Review Technical Report

https://www.apvma.gov.au/chemicals-and-products/chemical-review/listing/chlorpyrifos/chlorpyrifos-review-technical-report

意見募集:Chlorpyrifos proposed regulatory decision

https://www.apvma.gov.au/chemicals-and-products/chemical-review/listing/chlorpyrifos/chlorpyrifos-proposed-regulatory-decision

APVMA官報:Gazette No 25, Tuesday 12 December 2023

https://www.apvma.gov.au/news-and-publications/publications/gazette/gazette-25-12-dec-23

 

論文

-科学者が食料生産に由来する汚染を半分にするレシピを提供

Scientists provide recipe to halve pollution from food production

19-DEC-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/1029500

Appetite for Change報告書

・欧州の肉摂取量の平均を半分にして植物由来食におきかえる

・効率的施肥と堆肥の適切な保管

・食品廃棄を減らす

・下水由来窒素を減らすため下水から窒素をとり除くよう処理を改善

・環境影響の少ない食品に経済的インセンティブを与える

・持続可能なシステムへの移行をより良く支援

・関係者間の協力

 など

 

-痩せるとマイクロバイオームと脳の活性が相当変わる

Slimming significantly alters your microbiome and brain activity

20-DEC-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/1009478

25人の肥満の中国人男女にカロリー制限で平均7.6kg減量させた場合の各種パラメーターへの影響を調べた研究。Frontiers in Cellular and Infection Microbiology

(体重はいろいろな影響がある。実感としてみんな知ってそうなのに)

 

その他

-SMC NZ

2023年十大科学ニュース

Top 10 Science Stories of 2023

20 December 2023

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2023/12/20/top-10-science-stories-of-2023/

・温暖化する世界で極端な雨

・南極の消えつつある未来

・新しいCOVIDの現実

・深海採鉱の濁り水

・福島処理水放出を巡る議論

・禁煙法もみ消される

・AI:敵か味方か単なる文字列か

・侵入外来種が我が国の生物多様性を脅かしている

・DNA検査が新たな差別の原因

・気候会議での言葉を巡る争い

 

-SMC UK

健康的な植物ベースの食事とあまり健康的でない植物ベースの食事と2型糖尿病を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at healthy plant-based versus less healthy plant-based diets and type 2 diabetes

DECEMBER 20, 2023

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-healthy-plant-based-versus-less-healthy-plant-based-diets-and-type-2-diabetes/

Diabetes & Metabolismに発表された研究が、健康的な植物ベースの食事は2型糖尿病リスクの低さと関連することを示唆

Aston大学医学部登録栄養士で上級講師Duane Mellor博士

この研究はUKバイオバンクのある一日のたった206種の食品の限定的食事データを使った興味深い解析である。これをもとに著者は質の高い植物ベースの食事が2型糖尿病予防に有用だと主張している。この研究は観察研究なので因果関係を確認できない。野菜果物豆全粒穀物の多い食事パターンが2型糖尿病リスクの低さと関連すると言えるだけである。

 

食事の与え方と子どもの血中金属濃度を調べた研究への専門家の反応

expert reaction to study looking at feeding practices and metal concentrations in children’s blood

DECEMBER 18, 2023

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-feeding-practices-and-metal-concentrations-in-childrens-blood/

JAMA Network Openに発表された研究が乳児の栄養と血中金属濃度を調べた

ケンブリッジMRC毒性ユニットAndy Smith教授

この論文は約3才の子どもの赤血球の7つの必須金属と8つの非必須金属を比較したもので、生後6ヶ月まで完全母乳だったか混合だったかで分類した。その結果は健康との関連などについて何の結論も提供しない。

Queen’s University Belfast、生物科学教授Andrew Meharg教授

これは研究としては薄弱で、短く、実験の詳細が明確ではない。

データは統計的有意差はないようだ。いくつかの元素の分析は品質保証などの詳細が無く疑問である。重要なのは無機ヒ素なのに総ヒ素を報告しているのは妥当ではない。この論文がピアレビューを通ったことが驚きである。これを根拠に母乳が有害だと解釈してはならない。

(母乳の方が調整乳より不純物は多い。だからどうした?という話がたくさんある)

 

-Skeptical Inquirer

スポーツ科学の懐疑的ガイド

テストステロンサプリメント:Tucker Carlsonの亡霊を召喚する

Testosterone Supplements: Summoning the Specter of Tucker Carlson

Nick Tiller December 5, 2023

https://skepticalinquirer.org/exclusive/testosterone-supplements-summoning-the-specter-of-tucker-carlson/

男らしさはたった一つのホルモンの濃度で決まるものではない。自分の男らしさへの不安はテストステロンサプリメントでは解決しないだろう。

 

医療リテラシーの重要性について

‘For Consumers and Patients Seeking Help and Information, These Structures Can Become a Tragedy’—Sigrid März of MedWatch on the Importance of Medical Literacy

Annika Harrison

December 7, 2023

https://skepticalinquirer.org/exclusive/for-consumers-and-patients-seeking-help-and-information-these-structures-can-become-a-tragedy-sigrid-marz-of-medwatch-on-the-importance-of-medical-literacy/

代替医療とその空っぽの約束について批判的に検討しているドイツのオンラインマガジンMedWatchの編集者Sigrid Märzへのインタビュー

代替医療というものは存在しないことを強調したい。医療と、それを補助するものがあるだけ。

 

-タイでお腹の問題を治そうとしたモデルが炎に包まれる

Model ends up engulfed in flames after trying treatment to cure stomach issues in Thailand

By Isabel Keane Published Dec. 5, 2023,

https://nypost.com/2023/12/05/news/model-gets-engulfed-in-flames-trying-to-cure-her-indigestion/

タイの代替医療による治療中にモデルが突然炎に包まれる瞬間の恐ろしい動画が撮影された。バンコクでPhao Yaというハーブをお腹の上で燃やす伝統的ヒーリングをやろうとした。モデルは3度の火傷と火膨れに何ヶ月も苦しんだ