2023-12-26

[EFSA]意見等

-食品添加物としてのエリスリトール(E 968)の再評価

Re‐evaluation of erythritol (E 968) as a food additive

EFSA Journal 2023;21(12):8430  20 December 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8430

(科学的意見)

この意見では、食品添加物としてのエリスリトール(E 968)の再評価と、規則(EU) No 1169/2011の下で設定された下剤の警告表示要件からの免除の申請を扱う。エリスリトールは、Moniliella pollinis BC または Moniliella megachiliensis KW3‐6で発酵し、その後精製、乾燥して得たポリオールである。エリスリトールはヒトで素早く用量依存的に吸収され、わずかにエリスロネートに代謝される可能性がある。エリスリトールはその後、変化せずに尿に排泄される。遺伝毒性に関する懸念は生じない。評価したデータセットはヒトの介入研究からなる。パネルは、エリスリトールはヒトの下痢の原因となる可能性があり、電解質と水のバランスの崩れに関連する可能性があるため、有害と考えられると判断した。下痢の無毒性量(NOAELs)の範囲の下限値である0.5 g/kg体重を参照点と特定した。パネルは、参照点のレベルで許容一日摂取量の数値を設定するのが適切だと判断した。パネルは、ADI 0.5 g/kg体重/日を、即時的な下剤効果や二次的な下痢に伴う慢性影響の可能性には保護的だと考えた。最大平均値及び95パーセンタイルの慢性暴露は、子供(742 mg/kg体重/日)と青年(1532 mg/kg 体重/日だった。急性暴露は、99パーセンタイルで子供では1食当たり最大限で3531 mg/kgだった。概して、パネルは両方の食事暴露評価を過大評価と判断した。パネルは、エリスリトール(E 968)への急性及び慢性食事暴露両方の暴露推定量はADIを超過し、高摂取量の人は単回及び反復暴露の後に有害影響を被るリスクがあることを示していると結論した。新たな申請に関して、パネルは、入手可能なデータは免除の提案を支持しないと結論した。

 

-各種作物のスルホキサフロルの既存MRLsの改定

Modification of the existing maximum residue levels for sulfoxaflor in various commodities

EFSA Journal 2023;21(12):8481 20 December 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8481

(理由付き科学的意見)

 

-飼料添加物

Assessment of the feed additive consisting of Lentilactobacillus buchneri (formerly Lactobacillus buchneri) NCIMB 30139 for all animal species for the renewal of its authorisation (Volac International Ltd)

EFSA Journal 2023;21(12):8511 20 December 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8511

(科学的意見)

Safety and efficacy of a feed additive consisting of natrolite–phonolite obtained from volcanic rock from Kaiserstuhl for all animal species (Hans G. Hauri Mineralstoffwerk GmbH)

EFSA Journal 2023;21(12):8457 20 December 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8457

(科学的意見)

 

-関連するEU機関(ECHA、EFSA、EMA)とEC科学委員会(SCCS、SCHEER)の規制の枠組みと権限に関連するデータ要件と評価方法論のマッピング

Mapping of Data Requirements and Assessment Methodologies Linked to the Regulatory Frameworks and Remits of the Relevant EU Agencies (ECHA, EFSA and EMA) and EC Scientific Committees (SCCS and SCHEER)

EFSA Journal 2023;20(12):EN-8540  19 December 2023

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-8540

(外部科学報告書)

欧州食品安全機関(EFSA)は、RPA Europe とFoBiGに対して、「関連するEU機関(ECHA、EFSA、EMA)及びEC科学委員会(消費者安全性科学委員会Scientific Committee on Consumer Safety (SCCS)と保健衛生・環境及び新興リスクに関する科学委員会Scientific Committee on Health, Environmental and Emerging Risks (SCHEER))の規制の枠組みと権限に関連するデータ要件と評価方法論のマッピング」(食品成分及び包装に関するEFSAのユニットが管理するサービス契約OC/EFSA/FIP/2022/01)の研究を実施するよう委託した。一般的な目的は、EFSA、欧州化学品庁(ECHA)、欧州医薬品庁(EMA)、SCCS及びSCHEERの規制の枠組み内で適用されるデータ要件(DRs)とリスク評価方法論(RAMs)を収集し、分析することだった。確認された違いと規制の枠組み全体の調和の可能性に基づき、研究で、特別でより原則的な構造的違いへの対処を含む、複数の助言が概要された。

 

[BfR]ドイツ:実験動物の数は3年連続で減少

Germany: Number of laboratory animals falls for the third year in a row

11.12.2023

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2023/29/germany__number_of_laboratory_animals_falls_for_the_third_year_in_a_row-313855.html

使用済及び未使用の動物、どちらも大幅に減少

ドイツの実験動物数の減少傾向は2022年も継続した。前年と比較して、2022年には、実験動物数は約7%減少した。国の実験動物の統計資料によると、動物福祉法第7条2項に従って、合計173万匹の脊椎動物と頭足動物が動物実験に使用されたが、これは2021年より約134,000匹少なかった。これらの統計資料は、ドイツ連邦リスク評価研究所の一環で、ドイツ実験動物保護センター(Bf3R)が毎年発表している。「傾向として、ドイツでは、動物実験の実施はますます減少している。考えられる理由の1つは、代替手段や削減対策が徐々に受け入れられていることである。」とBfR長官Andreas Hensel医学博士は述べた。

https://www.bf3r.de/de/verwendung_von_versuchstieren_im_berichtsjahr_2022-313306.html

実験に使用される実験動物の約79%はマウスとラットだった。2022年のマウス数(使用済1,248,790匹)は、前年(使用済1,342,779匹)と比較して大幅に減少した。ラットの数も、2022年(使用済109,936匹)は2021年(使用済135,022匹)と比べて急に減少した。さらに、魚の数も2022年は減少した(使用済212,371匹;2021年は226,094匹)。

使用されたネコも、2022年(使用済538匹)は、2021年(使用済862匹)より少なかったが、同時にイヌ(使用済2,873匹)は、前年(使用済2,657匹)と比べて増加した。イヌやネコは特に、動物の病気の研究や、動物とヒトの医薬品の規制試験に使用される。イヌは、ストレスの少ない実験の研修目的にも使用される。2022年は、ウサギ(使用済67,125羽、2021年は62,771羽)や鳥(使用済28,075羽、2021年は25,745羽)の数も増加した。サルと原猿類の数は、前年(2021年:使用済1,886匹)と比べて、2022年(使用済2,204匹)に再び増加した。サルは特に、ヒトの医薬品の法定試験に使用される。ドイツでは、大型類人猿は、科学的な目的として1991年に最後に使用された。

実験動物の重症度は、3分の2が軽度

実験動物の重症度は、主に軽度に分類でき(66.3%)、重症度が軽度の実験は2022年にわずかに増加したことを示している。これは2021年の傾向、軽度な動物実験の割合が前年と比較して減少(63.2%)、を覆すものだった。重症度が中程度の動物実験 (25.4 %)や重度に分類される実験(3.6 %)の割合も2022年に減少し、全体的な傾向は重症度が軽度の実験に向かっていることを示している。全身麻酔を受けて実施された実験で、回復しなかった(生命機能が回復しなかった)動物の割合は、4.7%だった。重症度の定義についての詳細は:

https://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2010:276:0033:0079:de:PDF

ドイツでは、実験に使用される動物に加えて、細胞培養のために臓器や組織を使用するなどの科学的目的で殺処分された動物の数も報告されている。その数(711,939件)は、2021年(644,132件)と比べて、2022年は約11%大幅に増加した。こうして2022年には、合計約244万匹の実験動物が科学目的で使用された。2021年と比較して、全体で2.6%の減少である。

2021年に改正された実験動物報告条例により、BfRは再度、科学的な目的で飼育されたがその目的に使用されず、その後殺処分された動物の数を発表した。2022年はこの集団は約177万匹だったが、2021年にはそのような動物は約250万匹報告された。約31%の減少を示している。

この集団で報告された動物の約85%はマウスで、11%はゼブラフィッシュだった。動物の大多数は、遺伝子組換え動物系統の繁殖に由来した。これらの動物は大抵、望ましい遺伝子組換えを行っていないため、対応する実験に使用できない。研究施設は、使用されずに殺処分される動物の生産を減らすために、あらゆる相応の措置を講じなければならない。報告年2022年に登録されたこれらの数値も、5年間報告の一環として欧州委員会に提出される。

BfRは2023年12月15日にベルリンでこのテーマに関する利害関係者フォーラムを開催する。詳細はこちら:https://www.bfr.bund.de/cm/350/20230904_Programm_BfR-Stakeholder-Forum.pdf

ヒトと動物の病気の研究

2022年には、実験動物の約55%は基礎研究に使用された(例、免疫系及び神経系の研究のため)。約14%は、ヒトや動物の病気(がんなど)の研究に使用され、約16%は医薬品の生産や品質管理、あるいは毒性学的安全性試験に使用された。約15%は、教育や研修、種の保存、あるいは遺伝子組換え動物の繁殖など、他の目的を対象とした実験のために必要だった

遺伝子組換え動物の割合は、2022年は約53%で、前年(2021: 51%)と比べて増加した。だが、動物の絶対数は、前年(952,837匹)と比較して2022年は少なかった(918,276匹)。

特に、マウス(85%)とゼブラフィッシュ(14%)が使用された。遺伝子組換え動物は、特に基礎研究で使用される。それらは、糖尿病、がん、アルツハイマーなどの病気や、感染症とその治療の研究を向上するのに使用され、場合によっては、そもそもそれが可能になることもある。

動物福祉法の下での厳しい要件

動物福祉法と実験動物のための動物福祉条例には、動物実験の認可、実施、監視の厳しい要件が策定されている。例えば、実施する目的が規定されている。認可を決定する際に、意図した目的がその他の方法や手順で達成できないかどうか、常に検査を受けなければならない。

動物実験の認可や管理は、動物福祉を担当する州当局の責任である。彼らは実験動物施設が収集した実験動物の数をBfRに報告し、このデータを収集、分析して欧州委員会に送る。この報告義務の根拠は、実験動物の保護のためのEU指令2010/63/EUである。BfRは、2020報告年以降、動物実験の数値を発表している。

 

[EU]RASFF 2023(1217-1223)

警報通知(Alert Notifications)

オランダ産THC非表示の未承認新規食品、コートジボワール産トウモロコシ粉末のアフラトキシン、スペイン産有機イチジクのオクラトキシンA、ベルギー産グリーンセロリのテブコナゾール、トルコ産フランス経由粉末クミンのピロリジジンアルカロイド・クロルピリホス・アセタミプリド・クロチアニジン・ジチオカルバメート及びトリシクラゾール、オランダ産有機ココアパウダーのカドミウム高含有、中国産ドイツ経由ジャスミン浸出液のクロルピリホス・アセタミプリド・クロチアニジン・チアメトキサム・トルフェンピラド・シペルメトリン・フィプロニル・イミダクロプリド・ラムダシハロトリン・エマメクチン・クロルフェナピル・イソカルボホス・イソフェンホスメチル・フェンバレレート・ブプロフェジン・トリアゾホス・ヘキサフルムロン・アメトリン及びクロラントラニリプロール、パキスタン産ポーランド経由米のミネラルオイル成分、トルコ産ハーブミックスペーストのシルデナフィル、ベルギー産ソースピクルスの亜硫酸塩非表示、ポルトガル産トウモロコシ粉末のオクラトキシンA、トルコ産乾燥イチジクのオクラトキシンA、マダガスカル産黒目豆のエチレンオキシド、米国産ベーグルのエチレンオキシド、ドイツ産塩化カルシウムの2-クロロエタノール、

注意喚起情報(information for attention)

エクアドル産マグロロインの水銀、ベトナム産エビのテトラサイクリン、トルコ産レモンのクロルピリホスメチル、カンボジア産生鮮バジルのカルバリル及びカルボフラン、英国産未承認新規食品CBD飲料、スペイン産メカジキの水銀、モロッコ産冷凍アプリコットmumpsのチアベンダゾール、英国産未承認新規食品ヘンプカプセル、アルバニア産乾燥ラズベリー全葉のトロパンアルカロイド類、米国から輸入した茶のアントラキノン及びピリメタニル、台湾産シロップの未承認添加物エリソルビン酸ナトリウム(E316)、米国産朝食用シリアルの未承認添加物二酸化チタン(E171)、マダガスカル産ササゲのクロルピリホス、中国産スパゲッティスプーンの一級芳香族アミンの溶出、ヨルダン産オレガノのピロリジジンアルカロイド、トルコ産オレガノのピロリジジンアルカロイド(複数あり)、ベネズエラ産調理済エビの亜硫酸塩、エジプト産イチゴのオキサミル、

通関拒否通知(Border Rejections)

パキスタン産米のクロルピリホスエチル、エジプト産殻付きピーナッツのアフラトキシン、イラン産殻をとったピスタチオのアフラトキシン、モロッコ産ピーマンのフェナザキン、ベトナム産冷凍唐辛子のクロルフェナピル・ペルメトリン・ジノテフラン及びヘキサコナゾール、パキスタン産米のクロルピリホス及びプロフェノホス、中国産ヘラの一級芳香族アミンの溶出、ブラジル産マンゴー果肉の亜硫酸塩、パキスタン産米の有機リン系殺虫剤、インド産クミン粉末のチアメトキサム・イミダクロプリド・ヘキサコナゾール・クロチアニジン・クロルピリホスエチル・カルベンダジム及びアセタミプリド、インド産スパイスのエチレンオキシド、トルコ産生鮮マンダリンのクロルピリホス、中国産メラミントレーの95%エチルアルコールの溶出、インド産シリアルの未承認新規成分、インド産ササゲのクロロタロニル、ガーナ産燻製魚のベンゾ(a)ピレン及び多環芳香族炭化水素(PAHs)、ガーナ産パーム油の未承認着色料スーダン4、イラン産殻付きピスタチオのアフラトキシン、トルコ産茶の未承認物質シブトラミン及びシルデナフィル、

 

[MHRA]医薬品と医療機器:祝祭シーズンのための5つのコツ

Medicines and medical devices: 5 top tips for the festive season

21 December 2023

https://www.gov.uk/government/news/medicines-and-medical-devices-5-top-tips-for-the-festive-season

1.医薬品の中には食品や飲料と相互作用するものがある

クランベリーとワルファリンで出血

芽キャベツ、ブロッコリー、緑の葉物野菜のビタミンKでワルファリンの効果減少

他アルコール、グレープフルーツジュース

2.鎮痛薬(パラセタモール、アスピリン、イブプロフェン)は賢く使う

3.怪しいダイエット製品に注意

4.医薬品と運転

5.副作用やインシデントはMHRAに報告

 

[Tukes]Tukesは火の安全性リスクのあるキャンドルアレンジメントに警告-使わないこと

Tukes issues a warning of candle arrangements with a fire safety risk – do not use!

14.12.2023

https://tukes.fi/en/-/tukes-issues-a-warning-of-candle-arrangements-with-a-fire-safety-risk-do-not-use-

(写真有り。クリスマスのデコレーション。燃えているのも)

 

[RIVM]報告書

-車のタイヤの新しいリサイクル法の長所と短所

Advantages and disadvantages of new method to recycle car tyres

21-12-2023

https://www.rivm.nl/en/news/advantages-and-disadvantages-of-new-method-to-recycle-car-tyres

新しい方法である熱分解が他の既存の方法と比べてどうかを検討した。結論として、それぞれ一長一短で慎重な検討が必要

 

-2022年の空気の質は2021年より僅かに悪いがほぼ全地点でEU規制値を守っている

Air quality in 2022 slightly worse than in 2021, but complies with EU limit values almost everywhere

21-12-2023

https://www.rivm.nl/en/news/air-quality-in-2022-slightly-worse-than-in-2021

 

[USDA]APHIS

-APHISは規制状態レビュー回答を発表

APHIS Issues Regulatory Status Review Responses

December 21, 2023

https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/stakeholder-info/sa_by_date/sa-2023/rsr-responses

以下の4つの遺伝子組換え植物は、組換えでないものと比較して植物病害虫リスクは増加しない

・BioHeuris社の除草剤耐性綿と大豆

・PlantArcBio社の除草剤耐性大豆

・Bayer Crop Science社の除草剤耐性トウモロコシ

 

-速報:USDAはサンタのトナカイが米国に入ることを許可

THIS JUST IN: USDA Issues Permit for Santa’s Reindeer to Enter the U.S.

Dec 21, 2023

https://www.aphis.usda.gov/aphis/newsroom/news/sa_by_date/sa-2023/santa-permit-issued

家畜病原体が入ることを予防するため、入国に際して担当官がそりとトナカイとサンタを消毒する

(鳥フル感染渡り鳥もおとなしくそうしてくれるといいのに)

 

論文

-生きたクリスマスツリーは屋内空気の化学に影響する、NISTの研究者が発見

Live Christmas trees affect indoor air chemistry, NIST researchers find

22-DEC-2023

https://www.eurekalert.org/news-releases/1029849

Indoor Environmentsに発表された、クリスマスツリーの発する揮発性有機化合物を分析した研究。モノテルペン類が最も多い。揮発性有機化合物暴露を避けたいなら近くの窓を開ける。ツリーの最大のリスクは乾燥による火事なので水やりを忘れずに。

 

-Scienceニュース

この振動する減量用錠剤は満腹だと錯覚させるのかも

This vibrating diet pill may trick the stomach into feeling full

22 DEC 20232:00 PM ETBYMITCH LESLIE

https://www.science.org/content/article/vibrating-diet-pill-may-trick-stomach-feeling-full

装置が豚の食べる量を40%削減したが、ヒトでも有効かどうかは不明

研究者らがオゼンピックのような高価な医薬品より安い選択肢として、胃の中の神経末端を刺激して食べるのを止めるときだと教える振動する錠剤を発見した。Science Advancesに報告

(排泄されたらまた使う?)

 

その他

-EDZART Ernst

いわゆる代替医療(SCAM)を試す前によく考えて-スイスからの教訓

Please think twice before trying so-called alternative medicine (SCAM) – a cautionary tale from Switzerland

22 December 2023

https://edzardernst.com/2023/12/please-think-twice-before-trying-so-called-alternative-medicine-scam-a-cautionary-tale-from-switzerland/

NZZが最近ナチュラルヘルスクリニックとその医師について長い恐ろしい報道をした。ここにそれを翻訳して短くして紹介する。

国際的に有名なSCAMプラクティショナーThomas Rauとその豪華なクリニックBiomed Centre Sonnenbergで、スイスでは認可されていない薬物を注射されたKathrin Pfisterが死亡した。Sonnenbergでの治療後に死亡したのは彼女だけではない。他の専門家がRauの深刻な違反を指摘していてRauは殺人罪で調査されている。

この事実は2年間隠されていたが、問題は一つのクリニック、一人の医師だけではない。スイスの代替医療の中心地であるAppenzell Ausserrhoden州で政治問題になっている。AusserrhodenではSCAMが主要産業の一つで、世界中からお金持ちがここにやってくる。数週間治療のためにホテルに滞在すると5桁の費用になる。そして73才のRauはスイスSCAM業界のスターで、「医学のモーツアルト」を自称している。Biomed Centre Sonnenbergは彼の最近の巨大プロジェクトで、ホテルとグルテンフリービーガンレストランを有し、枕は羽毛の代わりに竹を使っている。全てが「デトックス」のためである。

Kathrin Pfisterの事例はこのセンターがオープンした直後の2021年4月半ばに始まった。彼女は健康でちょっとした消化の問題と頭痛を訴えて来た。病院の記録では最初はビタミンC点滴とホメオパシーレメディを与えられている。それからマラリア治療薬のアルテスナート、そして金曜日にαリポ酸の点滴を受けて死亡した。全身に血栓ができていて肝臓と腎臓は機能していなかった。

(以下他の事例も。)

 

-正義のリスク パート2:善意の基礎

Righteous Risks Part 2: Foundations of Virtue

RISKMONGER on DECEMBER 22, 2023

https://risk-monger.com/2023/12/22/righteous-risks-part-2-foundations-of-virtue/

政策は事実と根拠に基づいて決められるべきであるが道徳的独断と倫理的排除テクニックが主導することがますます多くなった。

政策は今やしばしば美徳文脈で語られる。

・気候変動対策は倫理的責任

・良き主導者は悪の企業がばらまく毒である農薬を禁止することで人々の健康を守れる

・プラスチックゴミはカメの鼻に刺さったストローのような倫理的に怒りを引き起こすので販売禁止が正しい

・企業は貧しい人から利益を得てきたのでどんな政策にも関与させるべきではない

・企業は悪でNGOは善

・資本主義は本質的にゴミを多くだし不正義なので脱成長すべき

・持続可能性が正義で汚染とゴミは悪

ポストモダン主義は科学的データも全て価値観に主導されていると思わせたい。現代の科学者は研究費を得るためにデータを誇大に宣伝する傾向がある。その結果倫理的に正しいデータがあるという考えが生まれる。

(出だし一部のみ)

 

-長距離国境を越える大気汚染(LRTAP)

反応性窒素に関する専門委員会

変化の意欲:窒素、環境および健康のためのフードシステムの選択肢。窒素と食品に関する第二次欧州窒素評価特別報告

Appetite for Change: Food system options for nitrogen, environment & health. 2nd European Nitrogen Assessment Special Report on Nitrogen & Food

19/12/2023

https://www.clrtap-tfrn.org/content/appetite-change-food-system-options-nitrogen-environment-health-2nd-european-nitrogen

重要なメッセージ

・フードシステムからの反応性窒素の漏出が空気、水、土壌を汚染し環境とヒト健康を脅かし、気候変動と生物多様性消失に寄与している。EUのフードシステムの2015年に窒素利用効率はわずか18%である。残り82%のほとんどが環境中で無駄になって環境と健康の脅威となっている

・食事の変化とフードチェーン全体にわたる技術対策で窒素の無駄を半分にできる。

・肉と乳製品の摂取量を半分にして農場とフードチェーンの管理を改善し、過剰なエネルギーとタンパク質の摂取を減らすことで窒素ロスを49%削減

(食事では植物、特に豆を増やすのが重要。

 

-スプーン一杯の保存料が医薬品をより安全にする

Spoonful Of Preservatives Makes The Medicine Safer

By Barbara Pfeffer Billauer JD MA (Occ. Health) PhD — December 21, 2023

https://www.acsh.org/news/2023/12/21/spoonful-preservatives-makes-medicine-safer-17536

約1年前に、KinderFarms社が子ども向けに“無毒なnon-toxic”解熱鎮痛剤を宣伝販売した-実際には無毒ではなかったが。タイレノール(アセトアミノフェン)から保存料をとり除いたことで「より安全」にしたと会社が主張したがそれは間違った情報を広めて消費者を誤解させるものであると訴訟が起こされた。企業側は自主的に製品をリコールした。

アセトアミノフェン自体は副作用を起こしうる害のあるもので、保存料は安定性のため必須である。

(何故そんなものが販売できたのかが不思議。ジェネリックだからって監視サボってる?)

 

-解決法というものは存在しない、トレードオフのみ

There are no solutions, only tradeoffs [Thomas Sowell]

2023/12/08

https://jackdevanney.substack.com/p/there-are-no-solutions-only-tradeoffs

(原子力発電所の話)

 

-プラセボは無害、ほんと?必ずしもそうではない

Placebos are harmless, right? Not always

Christopher Labos MD, MSc | 22 Dec 2023

https://www.mcgill.ca/oss/article/medical/placebos-are-harmless-right-not-always

「ノセボ」効果:もしプラセボが痛みを減らせるなら、状況によっては同じように簡単に痛みを増やせる

スタチンのノセボ効果による中止について

医薬品の副作用がノセボ効果による可能性。

 

-動画

どうやってトマトの神話が否定されたのか

How the tomato myth was debunked | The Right Chemistry

https://www.youtube.com/watch?v=eFJQ5K1JzJ4

何故トマトは毒だと思われていたのか?

1820年にRobert Gibbon Johnsonがトマトを公然と食べて毒ではないことを証明したという逸話があるがそれは事実ではないようだ

 

ジェロ(ウォッカ入りのゼリー)

Cup o'Joe-Jell-O!

2023/12/19

https://www.youtube.com/watch?v=JFbQKhOdV58

1950年代、お酒禁止のパーティーにアルコールを忍び込ませる方法として使われたことがある

(お菓子に薬物入れるの、昔からなんだ)