2024-03-08

[WHO]世界食品安全デー2024:コミュニケーションツールキット

World Food Safety Day 2024: Communication toolkit

7 March 2024

https://www.who.int/publications/m/item/world-food-safety-day-2024-communication-toolkit

2024年6月7日の世界食品安全デーの準備

今年のテーマは

食品安全:予期せぬことに備えよ

Food safety: prepare for the unexpected

 

キャンペーンサイト

World Food Safety Day

7 June 2024

https://www.who.int/campaigns/world-food-safety-day/2024

 

その他

-私たちはわからない、超加工食品が人々を太らせ不健康にすると多くの人を確信させた研究者が言う

We are not sure, says the researcher who has convinced many that ultra-processed food makes people fat and unhealthy

Nina Kristiansen Saturday 10. February 2024

https://www.sciencenorway.no/food-food-and-nutrition-nutrition/we-are-not-sure-says-the-researcher-who-has-convinced-many-that-ultra-processed-food-makes-people-fat-and-unhealthy/2319106

超加工食品についての有名な研究を行ったKevin Hallは加工食品が肥満と病気の原因だと信じているのか?

2019年にKevin Hallが行った研究は、世界中の研究者が、超加工食品が肥満と病気の原因であることを証明したものとして引用している。理由は二つあって、質の高い研究で明確な結果が出たことと、他にないからである。

14年前にブラジルの研究者らが発表した新しい理論とその分類-NOVAシステム-は世界中にブームを巻き起こした。理論は二つのことからなる:食品が健康的かどうかは食品の構成要素ではなく加工が決める、食品企業は金儲けのために安価な原料を加工する。

それまで食品は栄養が大事で、炭水化物や脂肪、繊維、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどがどのくらい含まれるかが大事だった。それが突然どのくらい加工されているかが大事になった。

Hallらの研究は20人を研究センターに住まわせて食を完全に管理した。2週間の間、ほぼ全てのカロリーを超加工食品から摂る食事にし、次の二週間は超加工食品のない食事にした。両方の食事の栄養含量は同様にした。研究参加者に研究目的や何を測定しているかは知らせなかった。その結果超加工食品を食べている時参加者は1日あたり500カロリー多く食べ1kg体重が増えた。もう一方の食事では1kg体重が減った。

それでKevin Hallは今どう考えているか?最近彼はセミナーで語った。

彼は最初にこの食品加工の理論を聞いたとき、おもしろいと思った。それで文献を探り研究者にどうして超加工で肥満になるのかと尋ねたが答えは得られなかった。その代わり超加工食品には塩や砂糖や脂肪が多く繊維や栄養が少ないと言われた。でもそれはこれまで通りのことだった。栄養が問題だということだ。

だからHallは2019年に研究を始めた。その結果は加工を説明したのか?

確かに超加工食品で体重が増えた。けれども最も重要な疑問、加工が原因か、には答えていない。

この研究が発表された後、Hallは多くの研究者から連絡をもらいそれぞれ自分の好きな仮説でこの結果を説明した。加工で食べやすくなったとか消化しやすくなった、腸内細菌が変わった、添加物のせい、等々。しかし彼らが自説をどれだけ信じていようと、それは仮説に過ぎない。さらに超加工食品は健康的なものもあるのは事実だとHallは語る

Hallは超加工ランチが不健康だとは信じていない。

Hallは現在新たに同様の研究を始めようとしている。目的はどうして超加工食品だと多く食べるかを発見することで、食品の新しい定義-とっても美味しい食品hyper-enjoyable foodをテストする。新しい研究の参加者は美味しいあるいは美味しくない超加工と未加工食品を食べるだろう

Hallの同僚の栄養研究者の多くは加工が重要だとは信じていない。砂糖や脂肪に警告するだけで十分だと信じている。しかしKevin Hallは超加工理論にも何らかのメリットがあると考える。

超加工を研究している研究者の多くは食品企業に極めて批判的である。伝統的栄養研究者も食品企業は塩や砂糖や脂肪の多い食品が多すぎると批判的である。どちらも不健康な食品が健康的な食品に置き換わるべきだという。

Kevin Hallは食品企業にはより現実的アプローチをもっていて、研究によってより良い製品につなげたい。最初に超加工の身体への影響への答えを見つけなければならない。

知識無く健康対策を始めるのは賢明ではない。さらなる研究が必要である。新しい研究の結果は10ヶ月以内に出るだろう。

(人によって好みが違うからそんなにはっきりした結果にならないのでは?アメリカ人の好きな甘さは日本人には甘すぎる。そして仮に「チョー美味しい」食品が食べすぎの原因だと結論されたら、美味しい食品を市場から排除するのが「正しい」の?)

 

-SCIENCE VOLUME 383|ISSUE 6687|8 MAR 2024

報い

THE RECKONING

BY CATHLEEN O’GRADY 07 MAR 2024: 1046-105

Didier Raoultとその研究所はパンデミック中に有名になった。それから批判者が追跡して大きな倫理上の問題を暴露された

フランスの微生物学者Didier Raoultの2010年代の6つの論文が1月に取り下げられた。同僚の論文1つも。

RaoultはAix-Marseille大学の関連施設であるMarseille地中海感染病院研究所(IHU)を2021年の引退まで率いていた。その研究病院では負担巣の法で求められている倫理委員会による審査が行われていなかった。

RaoultとIHUはCOVID-19パンデミック初期に有効な治療法、特にヒドロキシクロロキンを宣伝して注目され、IHUの研究の質の低さが追跡されるようになった。そして少なくとも15年は遡る倫理的問題が警告された

Raoultはリケッチャの研究で有名で、各種科学賞を受賞しPubMedの論文は3200を超える。2011年にIHUの主導者として選ばれ7200万ユーロの政府資金を得、政治力も大きかった。

パンデミック中にメディアに持て囃され、科学者からの批判にも関わらず政治家や一般人から支持された

(非常に長い記事。偶然何かを発見して業績をあげた科学者が人格者とは限らないのに。かつてない規模で医薬品の不適切な投与が継続されてきたようだ。丸山ワクチンも大概だけれど一度有名になると対処は難しい)

 

-Natureニュース

「絶望」:大統領が科学を排除し始めたためアルゼンチンの研究者は抗議

‘Despair’: Argentinian researchers protest as president begins dismantling science

07 March 2024 By Martín De Ambrosio & Fermín Koop

https://www.nature.com/articles/d41586-024-00628-1

Javier Milei政権発足後の対応で研究所が閉鎖に直面

アルゼンチンで新しい大統領が就任して3ヶ月、科学者は専門職の危機にあるという。政府の支出削減とアルゼンチンの主要科学支援機関である国立科学技術研究評議会(CONICET)が閉鎖するかもしれないという事態に研究者たちは抗議を行っている

 

-より強いFDAを求める同盟による、FDAのヒト用食品副長官Jim Jonesとのウェビナー

Alliance Webinar with FDA's Deputy Commissioner for Human Foods Jim Jones

Saturday, March 9

https://www.eventbrite.com/e/alliance-webinar-with-fdas-deputy-commissioner-for-human-foods-jim-jones-tickets-841472405617

食品中の化学物質安全性について

 

-動画 ボルドーに行こう

Cup o'Joe-Let's Go to Bordeaux

2024/03/01

https://www.youtube.com/watch?v=Xz9_ikkRhYw

Pierre-Marie-Alexis Millardetはボルドー大学の植物学者で1860年代にワイン製造業者に賞賛される発見をした。ワイン用ブドウはべと病に罹りやすく、感染するとブドウができない。このカビは湿気の多い気候で増加し最初は葉のつけねに毛の生えたような斑点ができる。雨が続くと定着して作物を破壊し次のシーズンににまで影響する。当時のワイン製造業者には別の問題もあって、道のそばで育つブドウは泥棒が盗むので、硫酸銅と石灰の混合物をスプレーして目に見える苦い残留物を残すようにしていた。Millardetはこれらのブドウがカビの攻撃を受けないことを発見し、ブドウの木にこの混合物-ボルドー混合物-をスプレーするよう勧めた。そして効果があった。ボルドー液は最初のよく使われる防かび剤になった。しかし科学においてはよくあることだが、一つの問題が解決するともうひとつの問題がでてきた。有効成分であるカビの酵素に干渉する銅イオンが土壌に蓄積し、蓄積した銅は水に溶出して魚や家畜に害を与えた。虫も殺した。現在ではほとんど他の防かび剤-クロロタロニルやマンコゼブに置き換わっている。PMRAが認可している。ただボルドー液は天然の鉱物が原料だからという理由で有機農業で使える。硫酸銅はあまりに危険だと判断されたため、おもちゃメーカーは化学のセットに入れてはいけないにもかかわらず。美しい青い硫酸銅結晶が成長する様は学生向けの化学でよく使われてきたが、今やそれを実施したかったら健康食品店に行って「オーガニック防かび剤」として合法的に販売されているものを買わなければならないのである。