[DEFRA]意見募集の結果:生分解性、コンポスト可能、バイオベースのプラスチック:根拠要請
Standards for biodegradable, compostable and bio-based plastics: call for evidence
8 April 2021
2019年7月から10月に行われた意見募集の結果。
85の意見が寄せられた。
今後オキソ分解性プラスチックの禁止を導入する可能性がある
バイオベースのプラスチック:デンプンやセルロースなどの植物由来原料ポリマーで作ったプラスチック
生分解性:水、バイオマス、気体などに分解されるプラスチック。条件による
コンポスト可能:生分解性プラスチックの一部で55-70℃、高湿度、有酸素条件で分解する
重要な知見
・バイオベースのプラスチックが循環経済に貢献できるかどうかについて意見は様々
・生分解性プラスチックについてはあまり役に立たないことで合意がある
・生分解しやすいように加工したプラスチックは技術が証明されておらずマイクロプラスチック汚染源となる可能性が高いという合意がある
・表示については「バイオプラスチック」は曖昧であまり価値がなく使うべきではない
[RIVM]報告
-「畜産の変化とその公衆衛生と環境への影響の可能性」についての探索的専門家の意見収集報告書
Report of an exploratory experts' consultation on ‘changes in livestock farming and potential effects on public health and the environment’
08-04-2021
本文オランダ語
2018年に農業自然食品品質省がどうやって農業が将来持続可能なものになることを確実にするかについての展望案を作った。その目的は「閉鎖食品サイクル」を作ることで、それにより畜産の環境影響が減る。しかしより持続可能な形態にすることで望ましくない影響が出る可能性もある。そこでRIVMは異なる分野の専門家に予想される影響を尋ねた。専門家は4種類の畜産の例を比較した
-下水のコロナウイルスモニタリング研究は拡大して延長
Coronavirus monitoring in sewage research expanded and extended
04/08/2021
https://www.rivm.nl/en/news/coronavirus-monitoring-in-sewage-research-expanded-and-extended
耐性菌モニタリングなど他の使い方も
-距離をとっている人々のコロナウイルス感染は少ない
Fewer coronavirus infections among people who kept distancing
04/08/2021
https://www.rivm.nl/en/news/fewer-coronavirus-infections-among-people-who-kept-distancing
2020年6月までの研究の結果
血中抗体が1.5mの距離規則にしたがった人4%、従わなかった人5.5%
屋内での20人以上の集会に参加した人6.2%、参加しなかった人4.2%
10才以下の子どもとの接触は影響がない
等
2021年2/3月の結果も間もなく発表される予定
[CDC]CDC Rochelle P. Walensky長官からの人種差別と健康についてのメディア声明
Media Statement from CDC Director Rochelle P. Walensky, MD, MPH, on Racism and Health
THURSDAY, APRIL 8, 2021
https://www.cdc.gov/media/releases/2021/s0408-racism-health.html
人種差別は深刻な公衆衛生問題であり人種差別への対応がCDCの新たな作業に加わる。新しいウェブサイト“Racism and Health”を作った。
Racism and Health
https://www.cdc.gov/healthequity/racism-disparities/index.html
Science
-書評:屈折した現実
Refracted reality
Jennifer Golbeck
Science 09 Apr 2021:Vol. 372, Issue 6538, pp. 137
Chris Bail著 ソーシャルメディアのプリズムを壊す:我々のプラットフォームを分断を促すものにしない方法 の書評
現在社会に蔓延している分極化に関して、メディア、特にソーシャルメディアに大きな責任がある。しかしいわゆるイデオロギーの「エコーチャンバー」の影響は見た目よりずっと複雑である。この本で計算機社会科学者(computational social scientist)Chris Bailはイデオロギーによる分極、手間、そしてその他の人々のコンテンツがソーシャルメディアの経験に与える影響を分析する困難な仕事を行った
Baliはソーシャルメディアの構造が、極論を増幅し中庸をほぼ見えなくさせて会話をシフトさせると主張する。またアルゴリズムは似たような意見のユーザーに、より極端な会話をするように促す。しかしこのデザインが分極化の原因だろうか?もし我々が多様な意見に晒されたら、我々は中庸に戻るのだろうか?Baliの注意深い研究は、そうはならないことを示唆する。イデオロギースペクトラムの反対側の意見に晒されると、実際には意見はさらに極端な方に動く。
(一部のみ)
-COVID-19ワクチンの背景にある物語
The story behind COVID-19 vaccines
Anthony S. Fauci
Science 09 Apr 2021:Vol. 372, Issue 6538, pp. 109
Scienceのエディトリアルで何十年も前から進められてきた研究の価値を強調するFauci博士。科学を継続的にしっかり支えることの社会的価値を再確認しよう
(これはもう圧倒的にアメリカの強さ。)
-トップドイツ心理学者はデータを改ざんしていた
Top German psychologist found to have fabricated data
By Hristio Boytchev
Science09 Apr 2021 Vol. 372, Issue 6538, pp. 117-118
ドイツのトップ心理学者の一人でで不安や恐怖症治療の専門家であるHans-Ulrich Wittchenは自分自身の宣伝に躊躇いはない。彼の電子メールの署名には「引用の多い研究者」と書いてあってそれは正当である。Web of Scienceによると彼の論文は約1000報で引用は7万に及ぶ。彼はドイツの精神疾患診断と統計マニュアルの編集者で2017年までドレスデン工科大学の心理学研究所長だった。しかし彼の名声は今攻撃の的になっている-彼の研究の一つに操作の根拠があった。調査報告書が2月に大学に提出され、Scienceが入手したところWittchenは内部告発者を脅迫し大学職員に圧力をかけていたことも示されていた
(以下長い記事。調査していないのに他の調査のコピーでごまかしたとか、娘を研究費で雇って全く働いていないとかわりと低レベルであからさまな不正。大御所だったんだろう)
その他
-Nature
プランS案内:学術出版を揺るがすオープンアクセスイニシアチブ
A guide to Plan S: the open-access initiative shaking up science publishing
08 APRIL 2021 Holly Else
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00883-6
雑誌の購読料の壁を取り払うことへの勧めが今年開始する。その仕組みを説明する
-トップ医学雑誌が「人種差別主義の医者はいない」と言った。今科学者たちが拒否している
A Top Medical Journal Said “No Physician Is Racist.” Now Scientists Are Boycotting.
April 1, 2021 Stephanie M. Lee
https://www.buzzfeednews.com/article/stephaniemlee/jama-racism-medicine-podcast-boycott
高名な雑誌JAMAのポッドキャストで医学に系統的人種差別があるかどうか疑問だといった後、医師や研究者らが大改革を要求
有色人種の妊娠女性がCOVID-19になると早産リスクが高いように見えるという知見をJAMAに投稿しようと考えていたMonica McLemoreらはJAMAのポッドキャストでEdward Livingston編集員が医学界に構造的人種差別が存在するという考えを否定していたのを見て考えを変えた。医療に人種差別はないという主張は激しい批判を引き起こし抗議活動につながった。McLemoreらは間違いを訂正するまでJAMAにはもう投稿しないと決めた。
Livingston は“racism”という単語が我々を傷つけている可能性があると言った
(いろいろ長い記事。有名雑誌の編集者は白人男性ばかり、とか)
-こんどのカリフには除草剤耐性Bt綿を最も多く蒔くだろう: Shetkari Sanghatana
Highest HTBT cotton sowing in coming kharif: Shetkari Sanghatana
Radheshyam Jadhav Pune | Updated on April 06, 2021
種子会社は政府の介入を求める
マハラシュトラ州の農家は、今度の7月から始まる作季には承認されていない除草剤耐性Bt綿50%以上栽培するだろう、と農業団体Shetkari Sanghatanaがいう
インドではHTBt綿はまだ商用栽培が認可されていないので違法である。しかし6月までのこの作季とその前、一部の農家は政府に逆らってHTBt綿を栽培した。この動きは2019年に始まったもので今やますます多くの農家がHTBt綿を栽培している。
インドで認可されているのはBt綿のみで、2006年以降新しい品種は一つも認可されていない。
「我々はHTBt綿を蒔き続ける。政府は我々を逮捕すればいい、それでもHTBt種を使い続ける。この種は簡単に入手できて農家は既に使っている。政府は農家が進歩した技術を使うことを止めるべきではない」とSS会長は言う
HTBt綿を農家が好む理由の一つは除草のコストが減るからだ
(現場の農家の圧倒的支持と政治力のある先進国環境団体の反対運動がぶつかっている)