2021-08-12

[EFSA]意見等

-新規食品添加物としての交差結合したポリアクリル酸ポリマー(カルボマー)の安全性評価

Safety evaluation of crosslinked polyacrylic acid polymers (carbomer) as a new food additive

EFSA Journal 2021;19(8):6693 11 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6693

(科学的意見)

食品添加物及び香料に関するEFSAのパネル(FAF)は、固形及び液体の食品サプリメントでの食品添加物としての使用を提案した交差結合したポリアクリル酸ポリマー(カルボマー)の安全性に関する科学的意見を提出した。カルボマーは、アリルペンタエリスリトール(APE)で重合及び交差結合されているアクリル酸モノマーから形成されている。このポリマーはフリーラジカル重合開始剤として■■■■■を用いて酢酸エチル中で合成されている。In vivoデータから、カルボマーの全身での利用可能性や生体内変化の証拠は示されなかった。遺伝毒性の懸念はない。入手可能なデータセットを検討して、パネルは、化合物固有の不確実係数(UF) 8を適用して、ラットの亜慢性13週間試験からの無毒性量(NOAEL) 1,500 mg/kg bw /日に基づき、許容一日摂取量(ADI) 190 mg/kg 体重(bw) /日を導出した。提案された最大使用量で、暴露推定量の範囲は、平均で1.1~ 90.2 mg/kg bw /日、95パーセンタイルで12.5 ~237.4 mg/kg bw /日だった。提案された典型的な使用量で、暴露推定量の範囲は、平均で0.7~60.2 mg/kg bw /日、95パーセンタイルで10.3~159.5 mg/kg bw /日だった。パネルは、提案された最大使用量ではADIに近いまたは超えた暴露推定量になることに留意した。パネルは提案された使用によるカルボマーへの暴露量は過大評価である可能性があることにも留意した。保守的なアプローチを取って、パネルは、固形の食品サプリメントに提案された最大使用量を申請者が報告した典型的な使用量まで下げると、カルボマーへの暴露は安全上の懸念を生じないと考えた。

 

-メガナチュラル-BPグレープシード抽出物と正常な血圧の維持:健康強調表示

MegaNatural‐BP grape seed extract and maintenance of normal blood pressure: evaluation of a health claim pursuant to Article 13(5) of Regulation (EC) No 1924/2006

EFSA Journal 2021;19(8):6776  9 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6776

(科学的意見)

因果関係を立証するには提出された証拠は不十分である。

(MegaNatural®‐BPは総フェノール成分、没食子酸とカテキンとエピカテキン含量で標準化した葡萄種子抽出物)

 

-食品と接触する物質に使用される物質、銀ナノ粒子の安全性評価

Safety assessment of the substance silver nanoparticles for use in food contact materials

EFSA Journal 2021;19(8):6790  9 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6790

(科学的意見)

食品と接触する物質・酵素及び加工助剤に関するEFSAのパネル(CEP)は、プラスチックに使用することを目的とした添加物、銀ナノ粒子の安全性を評価した。全ての銀粒子は大きさ範囲1–100 nmで、平均直径はおよそ15 nm 、99%が20 nm 未満の粒子である。この添加物は、多種多様の食品、時間、気温、食品と接触する表面/食品比率の質量と接触する非極性プラスチックに最大0.025% w/wで表面殺生物剤として使用することを目的としている。いくつかの集合/塊が観察されたが、この添加物はプラスチックに組み込まれる際に微粒子型が維持されている。特定の溶出や摩耗試験での理論的考察上のデータや情報から、意図した調べた使用条件で、銀ナノ粒子はポリマーに埋め込まれたままで、移行せず、摩耗による放出に耐え、結果として、食品を介した暴露や毒性学的懸念は生じないことが示されている。水溶性のイオン型では、その添加物粒子の表面から最大6 μg/kg 食品の銀の移行がある。これは、2004年にAGCパネルが提案した50 μg 銀/kg 食品のグループ制限未満で、ECHAが設定した許容一日摂取量(ADI) 0.9 μg 銀イオン/kg体重 (bw) /日未満となるFCMからの最大暴露となる可能性がある。そのためパネルは、この物質は、水性食品や食品模擬物質と接触しても増加しない、ポリオレフィン、ポリエステル、スタイルニクスなどのポリマーに最大0.025% w/wで添加物として使用しても消費者に安全上の懸念を生じないと結論した。だが、他の食事暴露源に由来する銀への暴露はECHAが設定したADIを超過する可能性があるとパネルは注意した。

 

-残留農薬の累積リスク評価に提案された予想シナリオ

Proposed prospective scenarios for cumulative risk assessment of pesticide residues

EFSA Journal 2021;18(8):EN-6811  6 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6811

(外部科学報告書)

高水準の消費者保護を確保するために、EC規則No. 396/2005条項14は、農薬の最大残留基準(MRLs)の設定、改訂、削除に関する申請の決断は、累積効果を評価する手段が得られる場合はそれを考慮する必要があると規定している。この報告書では、予想される累積リスク評価(CRA)への段階的アプローチの実現可能性を調査している。この報告書は、神経系の運動神経への影響に関連する15の累積評価グループ(CAG)のケーススタディと、甲状腺機能低下の影響に関連する15のCAGのケーススタディを説明している。各ケーススタディに段階0、段階 I 、段階 II の計算が行われた。段階IIの評価は焦点物質/焦点作物の組み合わせの暴露に関する3つの異なるリスク評価の質問を表す3つの異なるシナリオ、1) MRLでの暴露を評価するMRLシナリオ、2)GAPで焦点物質で処理された焦点作物への暴露を評価する優良農業規範(GAP)シナリオ、3) 実際の農薬の暴露を評価し、焦点物質の使用頻度を考慮する実際のシナリオ、で行われた。さらに、比較でなされたパラメーターや仮定の変更の影響を扱う3つの感度分析が行われた。段階0でトリガー値(健康に基づく指標値(HBGV)に対する一定の割合など)が実行されれば、予想されるCRAはより効果的に実行できることが結果から明らかになった。しかしながら、段階的アプローチでは段階IIの計算は原則として段階Iと比較した合計暴露マージンよりも高い結果になるはずだが、これは全てのシナリオやケーススタディに当てはまるわけではなかった。最終的な基準は植物・動物・食品及び飼料の常任委員会が議論し合意する必要がある。

 

-食品と接触する物質に使用する物質、亜リン酸、トリフェニルエステル、α‐ヒドロ‐ω‐ヒドロキシポリ [オキシ(メチル‐1,2‐エタンジイル)]とのポリマー、C10–16 アルキルエステル類 (FCM No 1076)の安全性評価

Safety assessment of the substance phosphorous acid, triphenyl ester, polymer with alpha‐hydro‐omega‐hydroxypoly[oxy(methyl‐1,2‐ethanediyl)], C10–16 alkyl esters (FCM No 1076), for use in food contact materials

EFSA Journal 2021;19(8):6786 6 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6786

(科学的意見)

食品と接触する物質・酵素及び加工助剤に関するEFSAのパネル(CEPパネル)は■■■■■の反応で得た物質、「亜リン酸、トリフェニルエステル、α‐ヒドロ‐ω‐ヒドロキシポリ [オキシ(メチル‐1,2‐エタンジイル)]とのポリマー、C10–16 アルキルエステル類」の安全性を評価した。この食品と接触する物質(FCM) No 1076は、耐衝撃性ポリスチレンでの使用のために2019年にCEPパネルが評価した。この意見では、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン (ABS) 共重合体に最大0.025% w/wで添加物として使用する場合のこの物質の安全性評価を扱う。このプラスチックは、室温やそれ以下で長期保存するために、水性、酸性、アルコール性の、および水中湯型乳化食品と接触して繰り返し利用することを目的としている。0.02% w/wでこの物質を作成したABSからの溶出は、10%エタノールで最大0.002 mg/kg、3%酢酸で0.005 mg/kg、50%エタノールで0.027 mg/kgだった。50%エタノールへの溶出は繰り返し利用試験条件で低下し、この低下は10% エタノールや 3% 酢酸模擬物質との繰り返し接触にも及ぶと考えられた。毒性学的データは以前の文書で同じ申請者が提出したものと同じである(EFSA‐Q‐2018‐00411)。それらは2019年にCEPパネルの科学的意見で報告され、毒性に関する結論はまだ有効である。概して、CEPパネルは、この物質は、室温及びそれ以下で、ABS物質や水性、酸性、アルコール性の及び水中油型乳化食品と接触する単回及び繰り返し利用の物質に、最大0.025% w/wで添加物として使用される場合、またその溶出が0.05 mg/kg 食品を超えなければ、消費者の安全上の懸念を生じないと結論した。

 

[BfR]誰が何をやっている?参照本が欧州の食品安全機関の概要を示す

Who does what? Reference book gives an overview of the food safety institutions in Europe

11.08.2021

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2021/35/who_does_what__reference_book_gives_an_overview_of_the__food_safety_institutions_in_europe-280392.html

“EU食品安全年鑑EU Food Safety Almanac”第5版発行

 

[TUKES]事故予防デー:スクーターや自転車の事故の背景にはしばしばアルコールがある-頭部傷害がよくある

Accident Prevention Day: Alcohol is often behind scooter and bicycle accidents – head injuries common

10.8.2021

https://tukes.fi/en/-/accident-prevention-day-alcohol-is-often-behind-scooter-and-bicycle-accidents-head-injuries-common

2021年8月9-13日に事故予防デーキャンペーンを行い、飲酒と事故の関連をとりあげる

「スクーターの事故で怪我をした人の血中からアルコールが検出されることがどんなに多いかは驚くべきである。特に動力つきスクーター事故で飲酒が多い」

 

[RIVM]2020年の運動とスポーツ

Physical activity and sports in 2020        

11-08-2021

https://www.rivm.nl/publicaties/sport-en-beweeggedrag-in-2020

2020年3月半ばから、オランダはSARS-CoV-2ウイルスの予防対策に直面し、30-50%の人々が運動量が減ったと報告した。15%の人は運動量が増えた。全体としてはオランダ人の運動量ガイドラインを守るヒトの割合は2019年49%から2020年53%に増加した。特に散歩や家事のような自宅周辺での活動が増えた。

2020年に運動ガイドラインに従う率が特に高かったのは、30-39才、雇用されている人、収入あるいは教育レベルが高い人、子どもと一緒に住んでいる人、都市部住人、だった。

 

[WHO]農薬管理に関する国際行動規範:農薬認可政策ガイダンス

International Code of Conduct on Pesticide Management. Guidance on pesticide licensing schemes

10 August 2021

https://www.who.int/publications/i/item/9789240030428

国の農薬認可の仕組みについてのガイダンス

 

[FSANZ]食品基準通知

Notification Circular 167-21

​​​​12 August 2021

https://www.foodstandards.gov.au/code/changes/circulars/Pages/Notification%20Circular%20167-21.aspx

新規申請と提案

・Aspergillus fijiensis (Aspergillus nigerの更新名)由来ベータ-フルクトフラノシダーゼ

・超低エネルギー食製品

・GM大腸菌由来麦芽糖産生性アルファ-アミラーゼ

認可と食品閣僚会議通知

・FSMP中ビタミンB3としてのニコチンアミドリボシド

・Bacillus subtilis 由来β-ガラクトシダーゼ

(beta-fructofuranosidaseとβ-Galactosidase のベータの書き方が違うのは意味があるのかどうかわからない)​​

 

[DHSC]8月16日から二回予防接種した濃厚接触者は自主隔離しなくていい

Self-isolation removed for double jabbed close contacts from 16 August

11 August 2021

https://www.gov.uk/government/news/self-isolation-removed-for-double-jabbed-close-contacts-from-16-august

二回予防接種した人と18才未満は、濃厚接触者になったらできるだけ早くPCR検査をするよう助言される。結果が出るまで自主隔離する必要は無い。検査陽性だったら自主隔離する。

 

その他

-パートI–携帯電話はがんの原因か

Part I – Do Cell Phones Cause Cancer

By Chuck Dinerstein, MD, MBA — August 9, 2021

https://www.acsh.org/news/2021/08/09/do-cell-phones-cause-cancer-15721

先週EWGが携帯電話の放射線の推測されている悪影響についての最新「報告書」を発表した。最初からそれは「放射線」と「子ども」という目を引く単語を強調している。

EWGの報告書について4部からなるコメントを提供する

 

パートII –高周波とがん

Part II – Radiofrequency Radiation and Cancer

By Andrew Karam, Ph.D., CHP — August 9, 2021

https://www.acsh.org/news/2021/08/09/radiofrequency-radiation-and-cancer-15722

 

パートIII –実験デザイン(あるいは何故ラットはヒトではないのか-とりわけ)

Part III - Experimental Design (or why rats are not people – among other things)

By Andrew Karam, Ph.D., CHP — August 10, 2021

https://www.acsh.org/news/2021/08/10/experimental-design-or-why-rats-are-not-people-%E2%80%93-among-other-things-15723

 

パートIV –53億人の携帯電話使用者は心配する必要があるか?

Part IV - Do 5.3 billion Cell Phone Users Need to Worry?

By Susan Goldhaber MPH — August 11, 2021

https://www.acsh.org/news/2021/08/11/do-53-billion-cell-phone-users-need-worry-15724