2021-09-07

[EFSA]意見等

-EFSA第25回科学会議-食品中マイクロ及びナノプラスチックのヒト健康リスクを評価するために調整されたアプローチ

EFSA Scientific Colloquium 25 – A coordinated approach to assess the human health risks of micro‐ and nanoplastics in food

EFSA Journal 2021;18(8):EN-6815  31 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6815

(イベント報告書)

2021年5月6~7日に開催されたオンライン会議は、研究者、リスク評価者、リスク管理者が共にマイクロ及びナノプラスチックの現状と進行中の研究を理解し、協力を促進し、相乗効果を構築するためにEFSAが企画した。この会議の目的は、科学的知見のギャップを埋めることに寄与し、ヒトの健康へのマイクロ及びナノプラスチックのリスクの評価を促進し、新しいデータを政策決定につなげるのを促進することだった。オープニングの総会の後、EFSA CONTAM PANEL 2016の声明以降の科学的根拠の概要が、マイクロ及びナノプラスチックの(1)分析手段、(2)暴露、(3)ハザード同定とキャラクタリゼーションの3つの特定セッションで提供出された。参加者は、この3つの分野の分科会を通して、相乗効果、進行中と計画中の研究活動との協力の機会、食品及び飼料中のマイクロ及びナノプラスチックのヒトの健康へのリスクの包括的評価を行うために必要なデータ生成の優先順位を話し合った。最後の総会で専門家のパネルは、確認された優先順位、主な関係者、規制当局と市民/消費者にとっての意味を話し合った。2016年のEFSAのCONTAMパネルの意見以来、大幅な進展があった。だが、提示された広範な不確実性リストから、包括的なヒトの健康リスク評価に必要なデータを生成するには更なる努力が必要なことは明らかである。この問題の複雑さ、学際性、グローバル性から、リスクの認識と利害関係者の優先事項に対処する全ライフサイクルのリスク評価には、様々な利害関係者の専門知識、調整された研究構想、国際協力が必要である。 

 

-ビフェナゼートの農薬リスク評価のピアレビュー改訂

Updated peer review of the pesticide risk assessment of the active substance bifenazate

EFSA Journal 2021;19(8):6818 30 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6818

(農薬の結論)

情報不足と懸念が確認された。

 

-ブラックベリーとラズベリーのシフルフェナミドの既存MRLs改訂

Modification of the existing maximum residue levels for cyflufenamid in blackberries and raspberries

EFSA Journal 2021;19(8):6831  30 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6831

(理由付き意見)

 

-各種作物のエマメクチンの既存MRLs改訂

Modification of the existing maximum residue levels for emamectin in various crops

EFSA Journal 2021;19(8):6824  30 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6824

(理由付き意見)

 

-耕地作物、観賞用花壇、観葉植物、植林、観賞用木本植物、観賞用作物、野菜作物、ベリー果実作物、梨状果実作物、核果及びオリーブの木の作物の殺虫剤として、また野菜と観賞用植物作物の殺菌剤として、植物保護に使用されるブラックソープE470aの基本物質申請に関する加盟国とEFSAとの協議結果

Outcome of the consultation with Member States and EFSA on the basic substance application for approval of black soap E470a to be used in plant protection as an insecticide on arable crops, ornamental flower beds, house plants, plant trees, ornamental woody plants, ornamental crops, vegetables crops, berry fruit crops, pome fruit crops, stone fruit and olive tree crops; and as a fungicide on vegetables and ornamental plant crops

EFSA Journal 2021;18(8):EN-6828  30 August 2021

https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-6828

(技術的報告書)

EFSAが協議結果をまとめ、個別に受け取ったコメントに関するEFSAの科学的見解を提示した。

(ブラックソープE470aは脂肪酸のカリウム塩)

 

[EU]RASFF 2021(0829-0904)

警報通知(Alert Notifications)

パキスタン産米のクロルピリホス、トルコ産乾燥イチジクのアフラトキシン、ドイツ産ダイエット飲料中に加工されたインド産モリンガの葉粉末のエチレンオキシド、インド産炭酸カルシウムの未承認物質 2-クロロエタノール、ドイツ産バイオコールドプレスヘンプオイルのテトラヒドロカンナビノール(THC)・CBD 及び CBDA高含有、スロベニア産モリンガヘンプティー20ピースのテトラヒドロカンナビノール(THC)・CBD 及びCBDA i高含有、中国産ポテトマッシャー からの一級芳香族アミンの溶出 (FCM)、トルコ産レモンのクロルピリホス-エチル、インド産ショウガ粉末の未承認物質エチレンオキシド、アラブ首長国連邦で生産したインド産フェヌグリークの葉のクロルピリホス・チアメトキサム・クレソキシムメチル、フランス産冷凍ホタテ貝のカドミウム、ドイツ産ローカストビーンガム及び関連製品のエチレンオキシド、ドイツ産ディルチップスの多環芳香族炭化水素及びクリセン、ドイツ産食品サプリメントに使用されているスペイン産タケノコ抽出物の未承認物質エチレンオキシド、スペイン産食品サプリメントの未承認物質エチレンオキシド、ドイツ産添加物(ローカストビーンガムとグアーガムの混合物)の未承認物質エチレンオキシド、

注意喚起情報(information for attention)

エジプト産オレンジのクロルピリホス、ドイツ産七面鳥飼料プレミックスの抗コクシジウム薬-モネンシン及び亜鉛、南アフリカ産グレープフルーツのブロモプロピレート、トルコ産レモンのプロクロラズ、トルコ産レモンのプロクロラズ、トルコ産レモンのプロクロラズ、アルジェリア産赤エビ(ヒカリチヒロエビ)とヨーロッパアカザエビの亜硫酸塩、ポーランド産生鮮セロリのカドミウム、ポーランド産キュウリのジクロルボス、

通関拒否通知(Border Rejections)

ニカラグア産有機ピーナッツのアフラトキシン、米国産ピーナッツのアフラトキシンB1、インドネシア産ナツメグのオクラトキシンA、インドネシア産ナツメグのアフラトキシン、インド産ピーナッツのアフラトキシンB1、エクアドル産プランテーンのイマザリル、中国産ナイロン製台所用品セットからの一級芳香族アミンの溶出、米国産ピスタチオのアフラトキシン、中国産冷凍イチゴのイプロジオン及びプロシミドン、インド産ササゲのクロルピリホス及びプロフェノホス、インド産ピーナッツのアフラトキシン、中国産持ち帰りマグの麦わら+プラスチック(PP)混合物の未承認使用、中国産茶のトルフェンピラド、米国産ピスタチオのアフラトキシンB1、

 

[WHO]よりクリーンな調理への移行

Transitioning to Cleaner Cooking

6 September 2021

https://www.who.int/news-room/feature-stories/detail/transitioning-to-cleaner-cooking

スマート装置が如何にしてクリーン調理を可能にすることで健康の平等を推進するか

液化石油ガス(LPG)燃料のようなクリーンな調理法を可能にすることが、低所得家庭での屋内空気汚染暴露を減らすための最大の障害のひとつである。新しい研究は「使った分だけ支払う」スマートメーター技術がこの問題の新たな解決方法になるかもしれないことを示唆する。この技術によりLPGシリンダーを丸ごと前払いする代わりに少しずつ燃料費を払えるようにする

よりクリーンな調理法への移行

ケニアの首都ナイロビの非公式居住区に住むAnitaと家族は木や木炭などの汚染の多い燃料を調理に使っていた。健康リスクを知っていたがLPGなどは費用がかかるので使えなかった。しかし企業が新しい支払い方法を提案してから事態は変わり始めた。使った分だけ支払う技術によってAnitaの家族はクリーンな調理に移行できた。その後その居住区の人たちがAnitaに続いた。さらに火傷や爆発が減った、一度に複数の料理ができるようになったなどのメリットを報告した。

 

[DHSC]将来親になる予定の人のいつ家族を始めるかについての選択肢を増やす

Prospective parents given more choice over when to start a family

6 September 2021

https://www.gov.uk/government/news/prospective-parents-given-more-choice-over-when-to-start-a-family

政府は卵と精子と胚の保存制限を延ばし10年の更新制にする

現在誰に対しても10年の保存期限になっているところを10年更新で最大55年まで延長する

(英国は生殖補助医療についてはやたらと先進的。野菜のゲノム編集で倫理がどうこう言ってる一方で、若いときに卵や精子を保存してその55年後に赤ちゃんを作ることはいいんだ。)

 

[BfR]3Gルール:4人中3人が新しい規制を支持

3G rule: Three out of four support the new regulations

06.09.2021

https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2021/37/3g_rule__three_out_of_four_support_the_new_regulations-282421.html

8月23日以降、全国で3Gルールが発効している:介護施設やレストラン内部、屋内でのイベントのような施設に行きたいと思う人は全て、ワクチン接種済みあるいは回復者、あるいは検査陰性でなければならない。ドイツ人の大部分はこの規則に好意的である。第43回BfRコロナモニターの結果から示された。特に60才以上の支持率は85%と高い。

他の対策も大部分にまだ受容されている。例えば距離、隔離、マスクなどは80%以上が支持している。一方である種の規制への理解低下の兆候も見られる。同時に感染するリスクのランク付けが低くなり、この感染への懸念がゆっくり低下していることが個人の生活にも反映されている。他人との距離をとる人の割合が低下し、閉じた部屋の換気を頻繁にする人が61%に低下した

BfRコロナモニター

BfR-Corona-Monitor | 31 August – 1 September 2021

https://www.bfr.bund.de/cm/349/210831-bfr-corona-monitor-en.pdf

(現在95%がマスクを使用するが外出を減らしている人は38%。検査とアプリは4割ほど。若い人でもアプリの使用は44%と60才以上の42%とあまり変わらない。結局アプリはどこの国でも主力ツールにはなっていない)

 

[ProMED]Haff病-ブラジル(第2報):(アマゾナス、バイア)疑い、魚摂取

Haff disease - Brazil (02): (AM, BA) susp, fish consumption

2021-09-06

https://promedmail.org/promed-post/?id=8648219

[1] Date: Wed 1 Sep 2021 Source: The Brazilian Report [edited]

アマゾナス州でさらに11人横紋筋融解症を記録、10日間合計で44人になった

バイアでは先月さらに6人記録され2021年の患者確認数は40になった

[2]Date: Tue 31 Aug 2021 Source: BBC News Brazil [in Portuguese, machine trans., edited]

黒尿病:アマゾンでのアウトブレイクについてわかっていること

詳細な報告、まだHaff病と確認されたわけではない

 

[ProMED]原因不明の死-米国(第2報):(ノースダコタ)牛、情報求む

Undiagnosed deaths - USA (02): (ND) cattle, RFI

2021-09-06

https://promedmail.org/promed-post/?id=8650043

[1]Date: Fri 3 Sep 2021 Source: AgWeb [edited]

ノースダコタ当局は、Jamestown近くの牧場で2021年7月29日に58頭の妊娠乳牛が死亡した事件を調べている。牧場主は牛が草を食んでいたところで死んでいるのを発見した。雷はなかった。炭疽も排除された

[2]Date: Wed 1 Sep 2021 Source: AgWeek [edited]

この死亡に関する情報を提供した人に4万ドルの報酬を提供する。当時牧場には138頭の牛がいて死んだのは58頭、15頭は流産した。検査で雷、炭疽、藍藻、クロストリジウム病、鉛中毒、水不足、天然の硝酸中毒が除外され、犯罪としての捜査も始まった。

 

論文

-The Lancet journals:「気候と自然の危機への緊急対応はパンデミックを待てない」、健康雑誌の前例のない共同社説

The Lancet journals: "Emergency action on climate and nature crisis cannot wait for the pandemic”, says unprecedented joint editorial from health journals

5-SEP-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/927398

本日世界中の医学、看護学、公衆衛生雑誌が世界の主導者たちに社会を変え気候変動を制限し生物多様性を回復し健康を守るための緊急対応をするよう呼びかけるエディトリアルを同時に発表した。発表されるのはLancet を含む220以上の雑誌である

現在の約束は十分ではない

もう何十年も、健康の専門家や健康雑誌は気候変動と自然破壊による健康への影響を警告してきた。最近の温室効果ガス排出削減や自然保護目標は歓迎できるが十分ではない。政府は社会と経済を転換する介入をすべきだ

(長い。執筆はほぼ欧州勢。気温上昇はどんなに少なくとも安全ではない、とか破滅的未来とか。covid-19に使った金額と同じくらい環境に投資せよ、とのこと)

 

-新しい国際研究はファクトチェックが有意にデマを信じることを減らすのを示す

New international study shows fact checks significantly reduce belief in misinformation

6-SEP-2021

https://www.eurekalert.org/news-releases/927293

PNASに発表されたアルゼンチン、ナイジェリア、南アフリカ、英国で2020年9-10月に行われた22のファクトチェックの評価。

 

-Covid-19:マレーシアは長く続くロックダウンにも関わらず記録的感染者数

Covid-19: Malaysia hit by record cases despite prolonged lockdown

Rachael Lum BMJ 2021;374:n2155

https://www.bmj.com/content/374/bmj.n2155

感染者と死者でインドを上回ってマレーシアが東南アジア最大に

2021年5月23日にインドを超え、人口あたりの死者数もインドネシアも超えた。7ヶ月の緊急事態と6月からずっとロックダウン中にも関わらず数は増加するばかり。2021年8月18日の1日あたりの感染確認数は22242で最高を記録、合計で147万人の感染と13302人の死亡。ワクチン接種は急速に進展中。ただし認可されていないイベルメクチンをワクチン代わりに使用している人たちがいる。マレーシアではcovid-19対応の振り子により人々がフラストレーションを溜め、この3年で3回政府が変わった

(ロックダウン等言葉は同じでも順守率等実態が国によって全然違っていそうで、他の国と比較してどうこう言うのは暇つぶし以外の意味はなさそう。)

 

その他

-SMC NZ

アラート2レベルがデルタ株のため改訂された-専門家の反応

Alert Level 2 revised due to Delta variant – Expert Reaction

06 September 2021

https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/09/06/alert-level-2-revised-due-to-delta-variant-expert-reaction/

オークランドを除きニュージーランドは明日夜アラート2レベルに下げるがアラート2レベルが相当改訂された。改訂アラートレベル2では屋内公共スペースではマスクとQRコードスキャンが要求され人数の上限は50人。

(Alert Level 2+とかDelta Alert Level 2とか言っている。でも課題はオークランドへの出入りの厳格な管理、らしい。オークランドとその他の地域を跨ぎたいならワクチン接種が必要とのこと。)

 

-米国公衆衛生局長官は我々はパンデミックの終わりについて間違って考えているという:「成功は患者がいないことではない」

The US Surgeon General says we're thinking about the end of the pandemic in the wrong way: 'Success does not equal no cases'

Dominick Reuter Tue, September 7, 2021

https://news.yahoo.com/us-surgeon-general-says-were-175152171.html

・Vivek Murthy米国公衆衛生局長官は、米国はCOVID-19から抜け出すチャンスを逃した可能性が高いという

・全国のICUのベッドが不足する中「成功は患者ゼロとイコールではない」とMurthyはPoliticoに語った。

・予防接種が最善の方法であることに変わりはない

元記事

Why We Can’t Turn the Corner on Covid

By JOANNE KENEN 09/06/2021

https://www.politico.com/news/magazine/2021/09/06/why-we-cant-turn-the-corner-on-covid-509349

・チャンスを逃したのはごく初期の根絶の可能性のこと

・予防接種をした人の感染と接種していない人の感染は違うのに同じに扱っていることを指摘している

 

-フロリダの医師は予防接種していない患者は拒否するだろう

Florida doctor will refuse to treat unvaccinated patients

September 6, 2021  By Patrick Reilly

https://nypost.com/2021/09/06/florida-doctor-will-refuse-to-treat-unvaccinated-patients/

南フロリダの一人の医師Lina Marracciniが予防接種していない患者は拒否する決定をした二人目の医師になった。職員にとってあまりにも大きなリスクになるためという。8月にアラバマの医師Dr. Jason Valentineが10月1日以降予防接種していない患者はみないと発表している。Marracciniは医師の倫理綱領は破っていないと主張する。彼女の患者の免疫不全や他の病気を考慮するとウイルスはより恐ろしいものである。

 

-躊躇しているフィジーの人たちが何故Covid-19ワクチンを接種しないのか語る

Hesitant Fijians tell why they won't vaccinate against Covid-19

5 September 2021

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/450765/hesitant-fijians-tell-why-they-won-t-vaccinate-against-covid-19

調査では躊躇しているフィジーの人たちの50%は副作用への恐れを理由にしている

今年の6月25日から6月10日に行われた調査で1047人の回答者のうち53.9%はワクチンが「とても安全」だと回答した。一方19.4%が「あまり安全でない」「全く安全でない」と回した。76.8%は予防接種をうけるつもりで13.1%が躊躇、10.1%がまだ決めていない

躊躇の理由の50%は副作用への恐怖、36%が安全でないから、17%はワクチンに5Gと接続するメタルチップあるいは磁石が入っているから、10%が宗教的理由。

 

-SMC UK

12-15才の子どもへのCOVID-19ワクチンについてのJCVIの更新助言への専門家の反応

expert reaction to JCVI updated advice on COVID-19 vaccination of children aged 12 to 15

SEPTEMBER 3, 2021

https://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-jcvi-updated-advice-on-covid-19-vaccination-of-children-aged-12-to-15/

予防接種合同委員会(JCVI)が、病気のある12-15才はCOVID-19ワクチンを二回受けるべきだが特に病気のない12-15才は受けるべきではないという助言を発表した

(意外だったらしく論争になっている。)