[EFSA]意見等
-すべての動物種用Lactiplantibacillus plantarum (以前は Lactobacillus plantarum) DSM 26571株からなる飼料添加物の安全性と有効性
Safety and efficacy of a feed additive consisting of Lactiplantibacillus plantarum (formerly Lactobacillus plantarum) DSM 26571 for all animal species (Chr. Hansen A/S)
EFSA Journal 2021;19(10):6898 28 October 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6898
(科学的意見)
-ダイズのグリホサートの輸入トレランス設定
Setting of an import tolerance for glyphosate in soyabeans
EFSA Journal 2021;19(10):6880 28 October 2021
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/6880
(理由付き意見)
-EFSAの専門家会議からニュース速報:栄養・新規食品及び食物アレルゲンに関するパネル
Breaking news from EFSA’s expert meetings: Panel on Nutrition, Novel Foods and Food Allergens
2021/10/28
https://www.youtube.com/watch?v=aqtn81jglDc
YouTube動画
[ANSES]PestiRiv開始:葡萄園の近くに住む人の農薬暴露についての独自研究
Launch of PestiRiv : an original study on the exposure to pesticides of people living near vineyards
19/10/2021
フランスの農村人口の大部分はワイン生産地域に住んでいる。この人達は使用されている植物保護製品に特に暴露しているのか、もしそうならどのくらい?本日、これらの質問に答えるために、フランス公衆衛生局とANSESは、葡萄園の近くに住む人々の農薬への暴露をよりよく理解し、光を当てることを目的とした初の大規模研究、PestiRivを開始する。フランスの6地域の3,350人から行われた測定により、適切な予防措置を講じることができるよう、農薬暴露に最も寄与する暴露源を客観的に特定できるようになる。
全ての暴露源を考慮した農薬への暴露の測定
フランス国民や公共機関は農薬の健康影響について懸念しているが、作物の近く、特に葡萄園の近くに住む人々の実際の暴露についてフランスで現在入手できるデータは少ない。そのため、PestiRivは、ワイン生産地域と非ワイン生産地域で農薬への暴露を調査するためにフランス大都市圏全体で実施された初の研究である。空気、食品(水を含む)、農業などの職業的活動、家庭使用など、考えられる全ての暴露源に対して、生物学的サンプリングによって評価された、人々の実際の暴露量を調査するという点で独自研究である。
主な目的は、ブドウの木の近くに住む人と、何らかの作物から遠くに住む人とで農薬への暴露が異なるかどうか調査することである。PestiRivは、農薬暴露に最も寄与する暴露源を特定し、ブドウの木からの生活距離、季節、個人の習慣と行動がこの暴露にどのように影響を与えるかを究明しようと模索する。この暴露の原因をよりよく理解することで、それを制限する方法を特定でき、結果としてこれらの製品の潜在的な健康影響を避けられる。
大規模研究:参加者3,350人、2期間の実地調査
この研究は、ワイン生産地域に住む人(ブドウの木の500メートル以内で他の作物から1,000メートル以上離れている人)あるいはどの作物からも離れた地域の人(何らかの作物から1,000メートル以上離れている人)の、18~79歳の成人と3歳以上の子どもを含む、ランダムに選ばれた参加者3,350人で実施されている。参加者は6つの地域、オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏、ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏、グラン・テスト地域圏、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏、オクシタニー地域圏、プロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏の対照的な地域の状況を表す250以上の研究区域に分散されている。
PestiRiv研究はその年の2つの期間に焦点を当てる予定である:
・2021年10月から2022年2月まで。植物保護製品によるブドウの木の処理頻度が最も少ない時。
・2022年3月から8月まで。これらの処理頻度が最も多い時。
農薬への暴露は人と環境両方で測定される:
参加者の身体の農薬の量を測定するために尿や髪の毛のサンプルの収集。
参加者の家庭の埃や室内空気の収集、一部の庭の果物や野菜の収集。
特定のワイン生産地域とどの作物からも遠い他の地域で取った屋外空気の農薬測定。
これらの測定は次のものを伴う:
・農薬暴露に寄与する可能性のある暴露源を特定するために参加者に送付されたアンケート。
・環境中の植物保護製品の拡散に影響を与える可能性のある気象条件や地理的特徴の記述。
・研究地域の農業状況の分析、例えばブドウの木の処理の可能性。
・水が地方で消費者暴露にどのように寄与するかを決めるための国の水監視データの使用。
環境メディアでおよそ50物質の測定が行われる。
あらかじめテストして許容された研究:参加者の56%はこの話題に興味がある
このPestiRiv研究の最初の段階は、グラン・テスト地域圏とヌーヴェル=アキテーヌ地域圏の4つの市政機関でフランス公衆衛生局とANSESが実施した。目標は参加者の関与を確保し、必要があればプロトコールを修正することだった。地方居住者と利害関係者間のこの研究の方法論や受容性をテストし、連絡した人の拒否の理由や期待を確認することで対処した。参加した72世帯で、2019年10月28日から12月21日まで、以下のことが観察された。
・子どもを含む参加者による厳密なプロトコール準拠。
・アンケートをよく理解すること。いくつかはそれ以降修正され、簡素化されているが。
・参加者は一般的にモチベーションが高い。なぜならブドウの木のすぐ近くに住んでいる、自身がワイン生産者かワイン生産者の家族である、あるいは周囲の健康問題のある人々を知っているからである。
このPestiRivの最初の段階では、参加者の期待を明確化し、全国に展開させるために研究プロトコールを修正することができた。
ANSESとフランス公衆衛生局の業務に従う研究
このPestiRiv研究は、農薬とその実際の健康影響に関する知見を向上することを目的としたANSESとフランス公衆衛生局が支援する一連の科学的事業の一環である。
フランス公衆衛生局が運営・実施している全国バイオモニタリングプログラム(ENNS、ELFE、Estebanなど)を通して、農薬など様々な汚染物質へのフランス人の暴露は、サンプル(尿、血液、髪の毛)中の濃度レベルを測定することで評価される。暴露の発生方法を定め、削減するための助言を発表するための仕事もプログラムの一環として行われている。
ANSESが資金提供するInserm-Epicea UMR 1153と協力して、フランス公衆衛生局が実行するGEOCAP-AGRIも、特定クラスの作物との近接に関連した子どものがんリスクを研究している。
ANSES、INERIS、Atmo France、大気質監視協会のネットワークが実施した全国的な探索的農薬キャンペーン(CNEP)は、屋外の空気中(地域の排出源を除く)に見つかった物質のスナップショットや、首都圏及びフランス海外領土の濃度レベルを提供した。
植物保護製品の使用に関連した有害影響を監視するために、国のフィトファーマコビジランス計画の一環として、これらのデータ全てが使用される。ANSESが運営するこの計画は、データを集め、国の対応を必要とするきっかけや警告を特定することを目的としている。
[WHO]COP26での健康イベント
Health Events at COP26
https://www.who.int/initiatives/cop26-health-programme/health-events-at-cop26
関連情報
[UK HSA]HPR volume 15 issue 17: news (1 November)
全国中毒情報サービス年次報告書
National Poisons Information Service (NPIS) annual report
2020-2021年、英国の医療従事者はNPISのオンラインTOXBASEデータベースに78万回アクセスし2300件以上の電話での問い合わせをした。誤用上位の薬物はジアゼパム、コカイン、大麻、MDMA、ヘロイン
報告書のトピックスとしては薬物誤使用、農薬、一酸化炭素、ジニトロフェノール、COVID-19パンデミック中のトキシコビジランス
年次報告書は以下から
Annual Reports
https://www.npis.org/Annual%20reports.html
最もよくアクセスされる植物
ヨーロッパイチイ
アルム・マクラツム
セイヨウバクチノキ
ジギタリス
セイヨウヒイラギ
農薬に関する照会件数がおそらくパンデミックにより減った、等
[NTP]報告書
-B6C3F1/Nマウスに吸入暴露したAspergillus fumigatusの毒性試験(改訂)
Toxicity Studies of Aspergillus fumigatus Administered by Inhalation to B6C3F1/N Mice (Revised)
July 2021; October 2021 (Revised)
間違いがあったので訂正
-ビスフェノールAの毒性に関する学術的及びレギュラトリーな知見を結びつける共同体(CLARITY-BPA):発表された知見の概要
Abstract for RR-18
Consortium Linking Academic and Regulatory Insights on Bisphenol A Toxicity (CLARITY-BPA): A Compendium of Published Findings
https://ntp.niehs.nih.gov/publications/reports/rr/rr18/index.html
この計画にはガイドラインに従ったコア試験を行うFDAの研究者らと、NIEHSから資金提供された14の大学の研究者らが参加している。SDラットに経口でBPA(2.5, 25, 250, 2,500, or 25,000 μg/kg body weight [bw]/day)を妊娠6日目から産後21日目まであるいは続けて2年間投与した。陽性対照エストロゲン群はエチニルエストラジオール0.05 or 0.5 μg/kg bw/dayを同様に投与した。この報告書は、CLARITY-BPAコアガイドライン試験と調査研究の19のピアレビューされた出版物の知見と結論をまとめたものである。臓器あるいは臓器系ごとに10章からなる。
報告書本文 122ページ
https://ntp.niehs.nih.gov/ntp/results/pubs/rr/reports/rr18_508.pdf
(vom Saalを筆頭に大学の研究者らが「BPAに影響がある」といいたがる傾向がよくわかる非常におもしろい報告書。例えば行動には変化が見られないものの遺伝子発現とエピジェネティック変化に影響した、とか。細胞の形とか数とか、数百以上の遺伝子のうちいくつかの発現が低用量影響の証拠だとか)
論文
-気候変動は世界の農業を10年以内にかき回す、NASA/PIK研究が発見
Climate change to stir up global agriculture within next decade, NASA/PIK study finds
1-NOV-2021
https://www.eurekalert.org/news-releases/933323
Nature Food
トウモロコシの収量は下がり小麦は上がる、既存の不平等が悪化する
(だから適応のために新しい技術も使おうとしているのにどうして拒否するんだろう?)
-陰謀論者が如何にしてCOVID-19科学を悪用したか
How conspiracists exploited COVID-19 science
Jamieson, K.H. Nat Hum Behav (2021).
https://www.nature.com/articles/s41562-021-01217-2
COVID-19パンデミック中に、陰謀論者は科学的合意の暫定的な性質と科学が実際にどう行われているかを悪用して、科学者と公衆衛生リーダーを悪役に仕立て上げた
科学的知見の更新-マスクとヒドロキシクロロキン
科学研究費の構造
疑いの種を事前に減らす
専門家は常に「現在わかっていること」に基づいていることを注意喚起し根拠を説明すること、バイアスの可能性も明らかにすること、ファクトチェッカーが確認できるようにすること、等。
(説明省略して「科学の常識ではこうだ」、と断言したり、「詳細は言えないけど結果はこうなった」、みたいなコミュニケーションはよろしくないけれどよく見られた。メディアは丁寧な報道をしない)
-食中毒アウトブレイクの発生状況の特徴と原因-中国、2020
Characteristics of Settings and Etiologic Agents of Foodborne Disease Outbreaks — China, 2020
Hongqiu Li et al., China CDC Weekly, 2021, 3(42): 889-893.
http://weekly.chinacdc.cn/en/article/doi/10.46234/ccdcw2021.219
2020年は7073件のアウトブレイクが報告され37454人の患者143人死亡。同定されたもののうち最も多い原因は微生物で41.7%。割合(58.0%)と死亡(57.6%)で最大なのは毒キノコ。
毒キノコ2705件、有毒動植物1020
下人不明が2411
(いろいろすごい)
その他
-Natureニュース
トップ気候科学者は国々が地球温暖化を抑制することには懐疑的
Top climate scientists are sceptical that nations will rein in global warming
01 November 2021 Jeff Tollefson
https://www.nature.com/articles/d41586-021-02990-w
natureによる調査は、最新IPCC報告書の著者の多くが将来について不安で生きている間に壊滅的catastrophic変化を予想している
NatureはIPCC報告書の233人の存命の著者にアンケートを行い92人から回答を得た。
(あまり回答率良くないんだな、というのと「壊滅的」を予想しながらも自分の役割は科学を伝えることであって政治的働きかけやデモのような行動はしないしそれほど不安でも無い、という感じ。他人には強く勧めている食生活の変更や旅行などのライフスタイルを変えることをやっているのは21%)
科学者はオーストラリアの野生の馬を最大1万頭間引く計画は十分ではないという
Scientists say Australian plan to cull up to 10,000 wild horses doesn’t go far enough
01 November 2021 Bianca Nogrady
https://www.nature.com/articles/d41586-021-02977-7
高山国立公園での野生化した馬の急増する集団は相当減らす必要がある、と研究者は言う
ニューサウスウェールズKosciuszko国立公園では野生化した馬の大集団が問題になっている。先月野生馬の数を減らす計画案が公表されたがオーストラリア科学アカデミーは迅速に3000頭以下にすべきと主張する公開文書を出した。
研究者らは、計画案は馬を守れという声の大きい少数の団体によるロビー活動に降伏したものだという。
米国でも同様の問題があるが持続可能な馬の数について合意ができていない。ただし米国では殺すことを禁止しているのでそう遠くない将来問題になるだろう。
-SMC NZ
北島上部ロックダウンに戻る-専門家の反応
Upper Northland returns to lockdown – Expert Reaction
02 November 2021
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/11/02/upper-northland-returns-to-lockdown-expert-reaction/
北島で関連のわからない患者が二人出たことで政府が今夜からアラート3レベルにする
この地域の予防接種率は低い
2人の意見
オークランド以外ではまだ排除戦略なので
トンガロックダウン-専門家の反応
Tonga enters lockdown – Expert Reaction
01 November 2021
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2021/11/01/tonga-enters-lockdown-expert-reaction/
トンガのメインの島Tongatapuが初めてCovid-19 患者が記録されて今夜から一週間のロックダウンに入る
(NZ由来の一人で公共交通機関も学校も停止。ワクチン接種してるはずなのだが)
オークランドのCovid制限さらに緩和-専門家の反応
Auckland’s Covid restrictions eased further – Expert Reaction
01 November 2021
次の水曜日にアラートレベル3ステップ2になったら小売店が店を開けられるようになる
3人の専門家コメント
3桁の感染者が続いているのに緩和するのは心配だといった意見
-ドイツでニセのネスレコーヒーが見つかって警告
Warning after counterfeit Nestlé coffee found in Germany
By News Desk on November 1, 2021
https://www.foodsafetynews.com/2021/11/warning-after-counterfeit-nestle-coffee-found-in-germany/
古いタイプのネスカフェゴールドに似たガラス瓶に入った偽物のネスレブランドコーヒーがドイツで販売されているのが発見された
(偽物と本物の写真あり)
-ロシアの死亡が増加しCOVID-19デマが裏目に出ているとEUがいう
COVID-19 disinformation backfires as Russian deaths climb, EU says
By Robin Emmott October 22, 2021
ロシアのメディアによる西洋のCOVID-19ワクチンへの疑いを育てる系統的デマキャンペーンが、ロシアの死亡増加となって裏目に出ている、と木曜日にEUの報告書が言う。
ロシアでは予防接種忌避が多く感染と死亡が拡大してPutin大統領が感染抑制のために職場の閉鎖を認めた。
EUの調査ではロシアでは各種メディアが多様な言語でワクチンの有効性と安全性への疑いの種を蒔いていた。そしてそれは効果的だった